低栄養リスク別 高齢者向けの食事とは

高齢者の食事

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「高齢の自分に合った食事は何がありますか。」

「自分の家族の栄養状態が気になります。どのような食事を摂ったらいいですか。」

 

 

高齢の方にとって栄養を十分に摂ることはこれからも健康に生きていく上で欠かせないことですが、

 

自分に必要な栄養が足りていない恐れがある(低栄養のリスクがある)ときに

早めに食事を見直し、十分な栄養が摂れるようにできるかどうかで今後の健康が大きく左右されます。

 

ここでは、低栄養のリスクが低いときと高いときに分けて、それぞれ適した食事や栄養補給の方法を紹介しています。

 

栄養状態が気になる方はぜひ参考にして早めに食事の見直しをしていただけたらと思います。

 

 

 

低栄養リスク別 高齢者向けの食事とは

「低栄養リスクが低い」方向けの食事

 

低栄養リスクが低い方は、

今すぐに栄養を強化した食事を摂らないといけないほど食事内容の調整が急務ではありません。

 

今までの食習慣を維持しながら、栄養バランスが偏っている部分があれば是正し、栄養のある食事を摂るように意識しましょう。

 

高齢の方にとって栄養のある食事として、「フレイル予防」のための食事をすすめています。

 

フレイル(虚弱)は、自立した生活ができなくなってしまうほど高齢の方の予後を悪くしてしまう状態で、近年よりフレイル予防のための取り組みが強化されています。

 

食事においても、高齢の方の健康の維持にフレイル予防を目標とするといいと思います。

 

 

具体的なフレイル予防のための食事は、必要なエネルギーと栄養、特にたんぱく質をしっかりと摂る食事です。以下のページに詳しくまとめていますのでご参考にしていただけたらと思います。

 

 

 

「低栄養リスクが高い」方向けの食事

 

低栄養リスクが高い方は、

早急なエネルギー、たんぱく質の確保をおこない、低栄養にならないようにする必要があります。

 

そのための食事は

どちらかで方針が変わるので、当てはまる項目をご参考ください。

 

 

①食事が3食摂れる場合

食事が3食摂れる場合は、食事全体の量を1~2割増やし、より多くの栄養を摂るようにしましょう。

 

無理する必要はありませんが、今の自分に必要な食事量が確保できていない恐れがあるので、3食全体で食事量を増やしましょう。

 

また、食事の基本を「フレイル予防のための食事」とし、この食事を十分に摂るようにすることをすすめます。

「フレイル予防のための食事」 についての詳細はこちらにまとめていますのでご参考にしてください。

 

 

今以上に食事の量を増やすことが難しい場合は、少量で栄養を補給できる栄養補助食品を取り入れて、不足している栄養を補います。

 

どのような栄養補助食品がいいのかは以下のページをご参考いただければと思います。

栄養補助食品をはじめるときの目安となる400kcal分のメニューを紹介しているので、まずはこちらから取り入れることをおすすめします。

 

栄養補助食品を摂るタイミングは食事と一緒のときでもいいですし、食事の間に摂っても大丈夫です。

自分の生活習慣に合わせて摂ってください。

 

 

②食事が摂れない場合

食事が摂れない場合は、無理に食事を摂ろうとすると、かえって負担となり状態の改善につながりにくくなります。

まずは、食事が摂れない原因がなにかを見て、原因に合わせて対応することで、負担なく栄養を補給するようにします。

 

食事が摂れないのは、

  • 最近運動する機会がなくなってきた
  • 病状が悪化している
  • 食事を噛んだり飲み込んだりすることが難しくなっている
  • 心当たりがない

その要因に合わせて食事を調整するようにします。

 

具体的な食事の内容は、以下のリンクに食事量が減った原因と対応策を紹介しています。

 

食事が摂れないからといって、負担のある食事とならないように、

自分や家族から見て、何が原因で食事が摂れなくなっているのかをチェックしてみてください。

 

 

 

食事がまったく摂れていない場合の注意点

 

食事が摂れないからといって、すぐに栄養補助食品などで大量の栄養を摂らないようにしてください。

 

食べられていない状態で食事を無理に摂ると

消化器へ負荷がかかり、吐き気や嘔吐などの症状が出る恐れがあります。

 

また、栄養が摂れていなかったときが長く続いた後に、急激に大量の栄養を摂ることで

リフィーディングシンドロームを引き起こす恐れがあり、命を落とす危険性もあります。

 

 

リフィーディングシンドロームとは

長期間腸内に栄養素等が届いていない状態が続いた後に、急激に大量の食事を摂ることで著しく血糖値が高まり、血糖値を低下させるインスリンが過剰に作用する。インスリンの過剰な作用により複数の代謝経路が過剰に働き、リンマグネシウム、ビタミンB1などの栄養素が失われる。このように反動的に栄養不足が引き起こされ生命機能に悪影響を与えること。

 

 

 

栄養補助食品を使って栄養を補給する場合、はじめから不足する分の栄養をすべて取ろうとはせず、

まずは1食分(400kcal)を上限に栄養補助食品をはじめ、十分に様子をみながらゆっくりと増やしていくようにしましょう。

 

また、食事が摂れていない期間が長く続いている場合は、医療機関に受診し医師や管理栄養士の指示を受けてください。

 

 

 

(参考)高齢者の栄養状態をチェックする方法

 

自分の栄養状態をチェックするには、医療機関で血液検査をおこなうなど専門家の意見を聞くのが最も正確ですが、

 

自宅で栄養状態をチェックする方法を以下のページで紹介しています。

 

 

定期的に栄養状態を評価し、食事内容を調整することが低栄養の予防につながるので、ぜひチェックしてみてください。

 

栄養状態のチェックは健康ならば3か月に1回

食事が摂りにくい、体調がすぐれないなどの時は2週間~1か月に1回は実施してみることをすすめます。

 

 

 

まとめ

○高齢の方向けの食事は低栄養のリスクごとに食事内容が異なる

○低栄養のリスクが低いときは「フレイル予防」を目的とした食事とする

○低栄養のリスクが高いときは、食事が摂れない原因別に対策する

○食事が摂れない時に無理に栄養を補給しすぎない

 

 

 

以上、「低栄養リスク別 高齢者向けの食事とは」について紹介しました。

高齢の方は身体に負担のないような食事を、自分の状態にあわせて摂ることが重要なので、このページの内容をぜひ参考に食事を調整してみてください。

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