「高齢者がダイエットするときの食事はどのようなものがいいですか」
「高齢者向けのダイエットのやり方を知りたいです」
ダイエットをしようと考えている高齢の方は、ダイエットによって肥満が改善することで健康を維持することを目的にしていると思います。
なので、ダイエットによって低栄養やフレイルといった症状になり健康を害すようなことにならないようにすることが重要です。
ここでは高齢の方向けのダイエットの方法を目標設定から食事の内容まで、ダイエットの進め方として紹介しています。
間違ったダイエットで健康を害してしまわないようにぜひご参考にしていただけたらと思います。
高齢者向けダイエットの進め方
ステップ① 自分に合った目標を設定する
健康を維持しながらダイエットをすすめていくために、高齢の方がダイエットをするうえでのポイントをおさえましょう。
- ポイント① 急激な減量を避ける
- ポイント② 習慣的な運動で減量をおこなう
- ポイント③ 低栄養、フレイルを予防するため十分な食事を摂る
- ポイント④ 無理をしない
詳しくは以下のページにまとめているので未読の方は一度目を通していただくと、このダイエットの方法がより分かりやすくなると思います。
このポイントをおさえた上で自分に合ったダイエットの目標を設定します。
(1)今の体重を測る
まずは今の自分の体重を測ります。
ご家庭にある体重計で大丈夫です。
(2)「自分に合った体重」と今の体重を比べる
次に「自分に合った体重」と今の体重を比べます。
「自分に合った体重」は以下のページに計算の方法をまとめているのでこちらを参考にしてみてください。
今の体重を「自分にあった体重」と比べたら、
このどれかに自分を当てはめて、次に進んでください。
(3)目標を設定する
ダイエットの目標は、以下を参考に設定します。
○今の体重の方が1.2倍以上重い
今の体重と自分に合った体重に差がある場合、
大幅なダイエットによる低栄養等を防ぐようにするため、ダイエットの目標は2つの段階に分けて設定します。
第1段階では肥満の改善に重点を置いたダイエットを、第2段階では低栄養やフレイル予防に重点を置いたダイエットをおこないます。
具体的な目標の体重は、
第1段階・・・「自分の身長(m)」×「自分の身長(m)」×27
第2段階・・・自分に合った体重
このように設定します。
第1段階では、
1か月で2~3%の体重減少を目標に、「自分の身長(m)」×「自分の身長(m)」×27 の目標体重まで減量します。
高齢者のダイエットは、
運動で身体の消費するエネルギー量を増やすことで減量をおこなうのが大切なので、運動で減量をする習慣づけを意識しましょう。
第1段階をクリアしたら、低栄養やフレイルの予防のためダイエットの重点を調整します。
「今の体重の方が1.0~1.2倍重い」の項目に進んでください。
○今の体重の方が1.0~1.2倍重い
ダイエットの目標は「自分に合った体重」とします。
1か月での減量は1~2%とし、急激な減量は避けます。
ダイエットは運動をしっかりおこないながら、必要な栄養を確保するために十分な食事を摂ること意識しましょう。
特に食事は必要な栄養を十分に確保し、低栄養やフレイルを予防することが重要ですので、1日3食摂るようにします。
○今の体重と同じ、今の体重の方が軽い
今の体重と同じ、今の体重の方が軽い場合はダイエットの重要度は低く、
「今の体重を維持する」ことを目標に食事を摂りましょう。
ステップ② 食事の内容を決める
どのダイエットの目標でも、食事の基本は「フレイル予防」のための食事です。
食事では必要なエネルギーとたんぱく質を確保し、野菜をしっかり食べることでビタミンやミネラルを摂ることが
ダイエットにとっても低栄養などの予防にとっても重要です。
この両方を満たす食事の考えは、フレイル予防と一致するため、
高齢者のダイエットにはフレイル予防の食事をすすめています。
具体的なフレイル予防のための食事は以下のページで紹介していますのでご参考ください。
このページをみながら、食事全体の量、主食、主菜の量や副菜を決めていきます。
ステップ③ ダイエットを実践する
ダイエットの目標と食事の内容を設定したら
実際にダイエットをはじめます。
ダイエット開始時は週3回、1回30分の運動をおこないます。
運動はウォーキングや軽めの筋力トレーニングから開始し、身体にならしながら少しずつ強度を上げていきます。
息が上がるか上がらないか程度で、長めの時間の運動を意識しましょう。
ダイエット中はできれば毎日、少なくとも2週間に1回は体重を量りましょう。
また、食事は1日3食摂るようにしましょう。
ステップ④ 2週間ごとに食事内容を調整する
ダイエットを始めたら
2週間に一度、体重の変動をチェックし食事内容を見直します。
2週間前の体重と比べ、
どれかに当てはめて、それぞれの項目を参考に食事内容を調整します。
2週間に1回食事内容を調整するのは、管理栄養士が実際におこなっている栄養モニタリングという栄養状態を定期的にチェックする手法のなかで、「低栄養リスクが高リスクの場合に2週間ごとのモニタリングをおこなっている」からです。
高齢の方のダイエットは低栄養リスクを考慮しながらおこなうので2週間ごとに体重の変動を確認することをすすめています。
2%以上減少した
体重の減少率が大きいので、
全体の食事量を1~2増やしましょう。
ただし間食を増やすのではなく、3食の食事を増やすようにしましょう。
1~2%減少した
ダイエットの推移は良好です。
食事内容は継続しましょう。
変わらなかった、増えた
食事内容は変えずに運動の頻度を増やしましょう。
運動の頻度を増やせない場合は、全体の食事の量を1~2割減らします。
ステップ④「体重測定→定期的な食事内容の調整」を継続する
後はステップ③を繰り返します。
体重を2週間ごとにチェックし、
体重が適度に減っていたら食事内容は継続します。
また、体重が変わらなかったり増えていたら運動の頻度を増やし、体重が減りすぎていたら食事量を全体で1~2割増やします。
これを2週間ごとに繰り返し、ゆっくりと目標の体重までダイエットします。
また、目標達成後も、定期的な食事内容の見直しは健康維持に重要なので
ぜひ継続して実践してみてください。
ダイエット中に体調の不調を感じたら、ダイエットを中止し休養に努めてください。
まとめ
○高齢者のダイエットはポイントを押さえ自分に合った目標を設定する。
○ダイエットの食事はフレイル予防の食事をおこなう。
○2週間ごとの体重の変動をチェックし食事内容を見直す。
以上、「高齢者向けダイエットの食事と進め方」を紹介しました。
高齢者のダイエットは運動をおこないながら必要な栄養をしっかりと摂ることが重要です。
ダイエット中は食事を定期的に見直し低栄養を予防しましょう。