「ダイエットするときに食事の時間はどうしたらいいのか」
ダイエットは食事の時間で効果が変わることもがあり、 間違ったやり方では、むしろ健康を害してしまいます。
食事の時間を調整することで、身体に負担のないダイエットにつながります。
ここでは「知っておくべきダイエット向けの食事時間」について紹介します。
食事を見直すきっかけに参考にしてみてください。
ダイエット向け 食事の時間チェックポイント3項目
食事の時間チェック項目は、
- ①運動をしてから食事を摂っている
- ②夜遅くにごはんを食べている
- ③食事を抜いている
この3項目です。
一番いいのはどれにも当てはまらないことです。
この3つの項目がダイエットにとって何がいけないのか解説していきます。
食べる時間で体重が変わる仕組み
同じものを食べたとして、
摂取するエネルギー量が同じでも、食べる時間の違いで体重は変動します。
これは、食事を摂ったときに身体がどのくらい栄養を吸収するか(吸収率)による違いです。
そして栄養の吸収率は恒常性によって左右されます。
この仕組みを理解するには、先に「恒常性」という性質を知っておいた方がわかりやすいです。
ダイエットをするうえで、恒常性を知っておくとより身体に負担のないダイエットにつながるので、未読の方は、一度以下のページを読んでみてください。
恒常性が食事の吸収にどのように影響するのか、チェック項目をもとに栄養の吸収の流れを説明します。
○運動をしてから食事を摂っている
運動をする
↓
エネルギーを消費し、身体に蓄えていたエネルギーが減る
↓
(恒常性がはたらき)
失った分のエネルギーを補給するために栄養を多く吸収しようとする
↓
食事を摂る
↓
栄養を多く吸収する
↓
食後は運動しないのでエネルギーをあまり消費しないため、吸収した栄養を身体に十分に蓄える
このように
食事の前に運動をすることで、身体は栄養を多く吸収しようとする体制を整えます。
まして運動後は空腹を感じやすいので、食事を多く摂ってしまうことになると、より栄養を吸収することになります。
栄養を吸収することは健康維持に欠かせないですが、
多く吸収してしまうことは「自分にとって余分なエネルギーを吸収する」ことになりかねません。
○夜遅くにごはんを食べている
夜遅くまでごはんを食べない
↓
昼ごはんからの時間が長くなり、午後の活動をすることで身体に貯めていたエネルギーを使うので
夜ごはんまでに必要なエネルギー量が不足する
↓
(恒常性がはたらき)
不足した分のエネルギーを補給するために栄養を多く吸収しようとする
↓
夜ごはんを食べ、栄養を多く吸収する
↓
夜ごはんのあとは寝るのでエネルギーをあまり消費しないため、吸収した栄養を身体に十分に蓄える
昼ごはんと夜ごはんとの間の時間が長いために、身体を動かす分のエネルギーが不足し、次の食事で栄養を多く吸収しようとします。
さらに、夜ごはんを食べたあとは寝るので、より身体にエネルギーを蓄えるようになり、
結果的に体重が減りにくくなっています。
○食事を抜いている
食事を抜く
↓
食べない分エネルギーが摂れないので必要なエネルギー量が不足する
↓
(恒常性がはたらき)
不足した分のエネルギーを補給するために栄養を多く吸収しようとする
↓
食事を摂り、栄養を多く吸収する
↓
エネルギー不足を補うように身体の体制が「エネルギーを貯める」方向にシフトしながら、
吸収した栄養を身体に十分に蓄える
食事を抜いたことで、身体を動かすために必要なエネルギーが不足してしまうので、結果的に次の食事で多くの栄養を吸収しようとします。
これらすべては恒常性がはたらき、身体が栄養不足から身を守ろうとする仕組みです。
なので、ダイエットをするときに
恒常性の性質に逆らってしまうと思ったようなダイエットができなくなってしまいます。
ダイエットに適した食事の改善ポイント
ダイエットにおすすめの食事の摂り方は、「恒常性がエネルギーを消費する方向にはたらいているときに食べる」ことです。
先ほどのチェック項目をもとに改善策をみると、
①運動をしてから食事を摂っている
②夜遅くにごはんを食べている
③食事を抜いている
↓
①’食事を摂ってから運動する
②’夜遅くにごはんを食べる場合は少なめにして、朝、昼ごはんをメインにする
③’3食規則的に食べる
このように食事の摂り方を変えると
恒常性が栄養をより多く吸収しようとする方向にはたらくことを防ぐことができるようになります。
②の改善策として、
夕方に軽く食べて、食べていない時間をリセットする方法がありますが
食事の回数が増えた分食べる量が増えてしまいがちなので、しっかり管理できる体制のある方しかおすすめしません。
また、「③食事を抜いている」場合
食事を摂らない分だけ1日の合計で食べる量が減るので
たしかに一時的に体重は落ちます。
しかし、痩せやすい体質をつくりにくく、健康的なダイエットとは言えないのであまりおすすめしていません。
食事のタイミングは臨床現場でも指導している
この3つのチェック項目は
実際に管理栄養士が栄養指導を行うときにも指標にしています。
例えば糖尿病や脂質異常症など食事の見直しが必要な方に対して、食事のタイミングを改善するよう指導するといったように
食事療法としても食事のタイミングの見直しも行っています。
栄養学では
バランスの良い食事として「食事時間のバランス」を整えることも重要とされています。
ダイエットを一時的ではなく、今後の健康維持に生かすためには食事のタイミングも合わせて考えてみてください。
まとめ
○体重は栄養の吸収率を左右する恒常性に影響される
○ダイエットのための食事は「恒常性」を意識する
○恒常性のはたらく方向を把握して、身体への負担を減らすことが健康を維持しながらのダイエットにつながる
以上、「ダイエット向けの食事のタイミング」について紹介しました。
ダイエットを健康的にすすめていくために
これをきかっけに一度自分の食事を見直してみてはいかがでしょうか。