栄養学を学習していく上で目標としてほしいのは「バランスの良い食事」を作ることができすることです。
ここでは栄養学の基礎を学ぶ前に、バランスの良い食事とはなにかを理解しましょう。
<今回の目標>
●バランスの良い食事の「3つのバランス」を理解する
●今の自分の食事を振り返り、どのバランスを整えるべきか把握する
バランスの良い食事とは、「質・量・時間の3つのバランスが整っている食事」のこと
バランスの良い食事が大切というのはいろいろなところで聞いたことがあると思いまが、
実際にバランスの良い食事を正確に説明するのは難しいと思います。
バランスの良い食事とは「質」、「量」、「時間」の3つが整っている食事です。
それぞれの概要は以下で述べますが、栄養状態を良好に保つにはこれら3つのバランスを保っておくことが必要で、どこかが欠けることで他のバランスも失いかねません。
今回は難しく考えず、3つのバランスがあることを知っておけば大丈夫です。
○「質」のバランスの概要
バランスの良い食事といえば、野菜を摂るようにすることでいろいろな栄養を摂る食事をするような「栄養素のバランス」を思う方が多いと思いますが、
この栄養素のバランスは「質」のバランスを指します。
例えば、毎日肉料理ばかり食べていて野菜を摂らない食事をしている方は、食事から摂る栄養素が偏ってしまいます。
これは栄養素の偏りがあるため「質のバランス」が整ていない食事となります。
その場合、魚料理を食べる習慣をつけたり、毎日野菜を取り入れたりと食べる食品の種類を増やすことで、
食事から摂る栄養素の種類も豊富になり、栄養素の質が高まる「質のバランス」を整えることができます。
今後勉強していく上で、この「質のバランス」をどのように整えていくかを習得していきましょう。
○「量」のバランスの概要
量のバランスとは、「食事の量のバランス」を指します。
1日3食を基本に、その3食の量がだいたい同じとなるように「食べる量のバランス」を整えることが、学習をする2つ目の目標です。
例えば、夕食で質のバランスの整った食事を多く摂り、朝食、昼食の量が少なかった場合は
健康的な食事とは言えません。
1回の食事で大量に摂ると、消化吸収の過程や代謝経路、ホルモンバランスに過度な負荷をかけてしまい、
この状態が続くことで疲弊していき機能しなくなってしまうため、生活習慣病などを誘発してしまうので、健康的であるとは言えません。
栄養素の消化吸収や代謝経路は今後の章で解説します。
今回では質の良い栄養を摂っても、食事の量がばらばらの食事を摂ると体に負荷がかかることを知っておきましょう。
○「時間」のバランスの概要
3つ目のバランスは「食事の時間」のバランスです。
できるだけ食事時間の間隔が同じになるようにすることが「時間のバランス」です。
例えば、朝起きるのが遅く、朝食が10時、昼食が12時、夕食が19時である場合、朝食から昼食までは2時間、昼食から夕食までは7時間、夕食から翌朝の朝食までは15時間の間隔になります。
この食事の間隔の不均等さは、質のバランス、量のバランス両方を整えた食事にしても、量のバランスの乱れの時と同じように消化吸収や代謝経路などに負荷をかけてしまいます。
1日24時間であるため、「時間のバランス」を整えるということは、
食事の間の間隔がそれぞれ8時間ごとになります。
しかしこれは仕事や睡眠など生活習慣を加味すると正確に8時間ごとにするのは難しいでしょう。
このあたりの時間のバランスの調整も今後解説していきます。
ここでは、食事時間によっても健康を害する可能性があることを知っておきましょう。
○栄養学を勉強することは「3つのバランスが整った食事」をできるようにすること
以上、3つのバランスの概要を見てきました。
これら「質」、「量」、「時間」のバランスを整えることでバランスの良い食事となります。
栄養学を学んでいく上で、必ず「バランスの良い食事」が基本となります。
というのも、特定の病気に対する食事療法でない限り、ほとんどが「バランスの良い食事」を基本にその方に必要な栄養をプラスしたり、余分な栄養を取り除いたりして調整していくからです。
小さいお子様でも高齢の方でもバランスの良い食事の考えは同じです。
つまり、「バランスの良い食事」を理解することが栄養学を独学する上での最初の目標でありとても重要な課題となります。
まずは栄養学を勉強する上での目標を想像して理解しておきましょう。
今後自分の食事にあてはめながら勉強を進めていくとより理解が早くなります。
今の自分やご家族の食事を振り返り、3つのバランスが整っているかをチェックしてみて下さい。
今回のまとめ
●バランスの良い食事とは「質・量・時間の3つのバランスが整っている食事」のこと。
●バランスの良い食事は栄養学の基本であり、習得することが最初の目標。