令和6年8月より新LIFEがスタートしました。
栄養マネジメント強化加算の算定として、施設サービスの場合は「栄養・摂食嚥下スクリーニング・アセスメント・モニタリング」を、通所・居宅サービスの場合は「栄養スクリーニング・アセスメント・モニタリング」をLIFEへ登録することが必要となっています。
LIFEへの登録方法は、「CSV形式ファイルに情報を保存してLIFEに取り込む」方法と「直接入力する方法」があります。
ここでは、CSV形式でLIFEに登録する方法と注意点をまとめています。
栄養マネジメント強化加算の詳しい算定条件は以下にまとめています。
LIFEへ登録する具体的な方法
(Ⅰ)LIFEへの登録に必要な情報を入力する
まずは栄養マネジメント強化加算を算定するためにLIFEへ登録する情報を、お使いの介護記録ソフト等に入力します。
LIFEに登録する書式は、施設サービスの場合は「栄養・摂食嚥下スクリーニング・アセスメント・モニタリング」、通所・居宅サービスの場合は「栄養スクリーニング・アセスメント・モニタリング」です。
お使いの介護記録ソフト等に合わせて入力してください。
LIFEへの登録項目は、厚生労働省のホームページにて「ケアの質の向上に向けた科学的介護情報システム(LIFE)利活用の手引き」に掲載されています。
そのうち栄養マネジメント強化加算の算定に関する情報の詳細は以下の通りです。
(1)低栄養のリスクレベル | 低栄養状態のリスクレベル評価基準(※1)に沿って低栄養リスクを評価する。 |
(2)身長・体重・BMI | 身長・体重を評価する(BMI は自動計算される)。 |
(3)3%以上の体重減少 | 「1ヶ月」、「3ヶ月」、「6ヶ月」間の体重減少率を評価し、3%以上の体重減少がある場合は「有」を、なければ「無」を入力する。 (LIFEに過去のデータがあれば体重減少率は自動計算される) |
(4)血清アルブミン値 | 血清アルブミン値を測定している場合は「有」を選択し値を入力する。測定していない場合は「無」を入力する。 |
(5)褥瘡 | 褥瘡の状態の評価基準(※2)を基に、持続する発赤(d1)以上の褥瘡がある場合は「有」を入力する。褥瘡がない場合は「無」を入力する。 |
(6)栄養補給法 | 栄養補給経路を「経口のみ」、「一部経口」から選択する。「経腸栄養」、「静脈栄養」を行っている場合は選択する。 |
(7)栄養補給の状態 | 直近 3 日間の「食事全体」、「主食」、「副食」摂取率を入力する。 (注意点はこちら) |
(8)摂取栄養量 | 「栄養補給の状態」からLIFE内で自動計算される。 |
(9)提供栄養量 | 直近 3 日間の提供栄養量を入力する。栄養量はエネルギーとたんぱく質量を入力する。 |
(10)必要栄養量 | 必要栄養量を入力する。 |
(11)嚥下調整食の必要性(食事の形態) とろみの濃さ | 嚥下調整食の必要性を評価する。必要性が「有」の場合、嚥下調整食の食形態の評価基準(※3)を基にコードを入力する。 とろみの濃さを入力する。 |
(12)食事の留意事項の有無 | 食事の留意事項がある場合、事項を入力する。 |
(13) 本人の意欲 | 直近3日間の様子を「よい」、「まあよい」、「ふつう」、「あまりよくない」、「よくな い」から評価する。 |
(14) 食欲・食事の満足感 | 直近3日間の様子を「大いにある」、「ややある」、「ふつう」、「ややない」、「全 くない」から評価する。 |
(15)食事に対する意識 | 直近 3 日間の様子を「大いにある」、「ややある」、「ふつう」、「ややない」、「全く ない」から評価する。 |
(16)多職種による栄養ケアの課題(低栄養関連問題) | 該当する項目を入力する。 |
(17)総合評価 | 直近3日間の栄養状態を「改善」、 「改善傾向」、 「維持」、「改善が認められない」から評価する。 |
(18) サービス継続の必要性 | 必要性がある場合は「有」を、ない場合は「無」を入力する。 |
(※1)低栄養状態のリスクレベル評価基準
リスク分類 | 低リスク | 中リスク | 高リスク |
BMI | 18.5~29.9 | 18.5 未満 | 18.5 未満 |
体重減少率 | 変化なし (減少3%未満) | 1か月に3~5%未満 3か月に3~ 7.5% 未満 6 か月に3~ 10% 未満 | 1 か月に 5% 以上 3か月に7.5%以上 6か月に10%以上 |
血清アルブミン値 | 3.6g/dl 以上 | 3.0~3.5g/dl | 3.0g/dl 未満 |
食事摂取量 | 76%~ 100% | 75% 以下 | 75% 以下 |
栄養補給法 | ― | 経腸栄養法 静脈栄養法 | 経腸栄養法 静脈栄養法 |
褥瘡 | ― | ― | 褥瘡持続する発赤(d1)以上(※2) |
(注1)高リスクの項目に1つ以上該当する場合は「高リスク」、 全ての項目が低リスクに該当する場合は「低リスク」、その他の場合は「中リスク」と判定する。
なお、栄養補給法が経腸栄養法もしくは静脈栄養法で、栄養補給法以外のリスク分類で全て「低リスク」に該当する場合は、低リスク者に準ずる。
(注2)評価していない項目は除外して評価する。
(注3)評価基準を基に個々の状態等に応じて低栄養状態を判断する。
(※2)褥瘡の状態の評価
日本褥瘡学会の改定DESIGN-R®2020コンセンサス・ドキュメントを基に評価する。
(※3)嚥下調整食の食形態の評価
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食分類 2013を基に評価する。
(Ⅱ)CSVファイルを保存する
お使いの介護記録ソフト等に情報を入力できたら、LIFEに情報を登録するためにCSV形式で出力し、CSVファイルを保存します。
CSVファイルへの保存方法は各介護記録ソフトで異なるので、お使いの介護記録ソフトのマニュアルに従ってください。
(Ⅲ)LIFEにログインする
CSVファイルを保存したら、LIFEにログインします。
パソコンからLIFEの起動アイコン(LIFE.exe)をクリックし、ログイン画面を開きます。
ログイン画面が開いたら、「ログインID:(事業所番号)-(記録職員ID)」、「パスワード(事業所で設定したパスワード)」を入力しログインします。
※ログインIDの事業所番号と記録職員IDの間は半角ハイフンです。
(補足)LIFEにログインする前に準備しておくこと
栄養マネジメント強化加算に関する情報をLIFEに登録する前に、あなたの事業所から「記録職員」としてLIFEへ登録してもらい、記録の権限を受ける必要があります。
「記録職員」に登録する際に、必ずあなた用の「記録職員ID」と「パスワード」を設定します。
LIFEへのログインに必要ですので事前に記録職員への登録をしてもらってください。
(Ⅳ)CSVファイルを取り込む
LIFEにログインできたら、CSVファイルをLIFEに取り込みます。
取り込む方法は以下の手順です。
- メニュー画面の「外部データ取込」をクリックする。
- データ取込画面の「参照」をクリックし、先程保存したCSVファイルを選択する。
- LIFEの画面にCSVファイルの名前が表示されたら、右下の「取込」をクリックする。
- 取込確認画面の「OK」をクリックする。
- データ取込結果画面に結果が表示される。
- (エラーがあれば)エラー詳細の「エラー表示」で確認し必要な場合「エラーCSV出力」をクリックする。
取り込んだ情報は以下の方法で確認できます。
- トップ画面の「様式一覧管理」をクリックする。
- 画面左上の「サービス分類」から該当のサービスを選択する。
➡利用者の項目に「登録日」と「確定」の表記があれば登録完了です。
また、登録した内容を修正する場合は以下の方法で行います。
- トップ画面の「様式一覧管理」をクリックする。
- 画面左上の「サービス分類」から該当のサービスを選択する。
- 確認したい利用者の「利用者ID」をクリックする。
- 画面右下の「修正」をクリックする。
- 修正箇所を入力し、画面右下の「確定」をクリックする。
- 更新確認画面の「OK」をクリックする。
- 更新完了画面の「OK」をクリックする。
CSV形式でLIFEに登録するときの注意点
CSV形式でLIFEに登録する場合は以下の点に注意してください。
①情報は基本的に全て入力する
CSV形式で登録する場合、上記の一覧で示した情報は、該当しない箇所を除いて全て入力する必要があります。
(「多職種による栄養ケアの課題(低栄養関連問題)」は該当する場合に入力します。)
未入力があるとCSVファイルで保存する際にエラーとなることがあるので、全て入力した後にCSVファイルを作成しましょう。
見落としがちな項目例
<例1>「3%以上の体重減少」はどの項目を入力するのか | 体重減少は「1ヶ月」、「3ヶ月」、「6ヶ月」全ての項目を評価し入力してください。 |
<例2>「血清アルブミン値」を測定していない場合 | (前回のLIFE登録から今回の登録までに)測定していない場合は空白にせずに「無」を選択してください。 |
<例3>「計画の変更」の必要性がない | 「計画の変更」箇所の「無」を選択してください。 |
②「必要栄養量」は個々の状態に合わせて計算した値とする
必要栄養量の計算基準ついて、栄養マネジメント強化加算では個々の状態に合わせて計算するとされており、
参考として日本人の食事摂取基準(2020 年)を基にすると記載されています。
そのため、栄養マネジメント強化加算のための必要栄養量を計算する計算式は無く、これまで通り利用者の担当管理栄養士の判断で算出した必要栄養量を入力します。
③「栄養補給の状態」などは直近3日間を評価する
利用者情報のうち、
- 「栄養補給の状態」
- 「提供栄養量(現体重当たり)」
- 「本人の意欲」
- 「食欲・食事の満足感」
- 「食事に対する意識」
これらの項目については、評価日から直近3日間の情報を評価すること定められています。
このうち、食事摂取率の計算は以下の取扱いとなっています。
体調不良や食欲不振などで欠食した場合 | 食事摂取率の計算に含める |
検査等で欠食した場合 | 食事摂取率の計算に含めない |
また、通所サービスなどを利用している方は、利用者本人や家族から食事摂取量を聞き取り評価ても差し支えないとされています。
空白にせずに聞き取りにて食事摂取量を評価しましょう。
以上、CSV形式でLIFEに登録する方法と注意点について紹介しました。
LIFEに関する情報が更新され次第、本ページの内容も随時修正します。
「認知症の方向けの食事支援」や「高齢者向けのダイエット方法」、「高齢者向けの栄養補助食品の紹介」など、高齢者の方向けの食事や栄養についてこちらにまとめています