【管理栄養士より】65歳からのフレイル予防に最適な食事とは 基礎編

高齢者の食事
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高齢の方にとってこれからの人生を楽しく生きていくためには、フレイルを予防し、活動できる身体や心を保ち健康であることが重要です。

 

健康を維持するにはバランスの良い食事が大切だとよく言われますが、バランスの良い食事と言ってもどのような食事を摂ったらいいか具体的にはわかりにくい方もおられると思います。

 

ここでは管理栄養士がおすすめするフレイル予防の食事・献立の作り方を紹介します。フレイル予防の食事は他の病気の予防のためにもなりますのでぜひご参考にしてください。

 

 

フレイル予防の食事献立の作り方

フレイル予防に最適な食事は「主食、主菜、副菜2品」のそろったものです。

 

献立は以下の手順を基に立てて食事を作ります。

  • 1.自分に必要なエネルギー量を知り、食事の量を設定する
  • 2.主食は必要エネルギー量に対応する量を摂る
  • 3.主菜から十分なたんぱく質を摂る
  • 4.副菜でいろいろな野菜を摂る
  • 5.(必要ならば)おやつには果物やナッツを食べる

 

 

1.自分に必要なエネルギー量を知り、食事の量を設定する

まずは食事全体の量を決めましょう。

 

自分に合った「必要エネルギー量」を満たすように食事量を決めます。

 

必要エネルギー量は「日本人のための食事摂取基準2020年版」にある推定必要エネルギー量を指標にします。

 

臨床現場ではハリスベネディクト式などを用いて基礎代謝量から必要エネルギー量を算出し食事量を決める方法などもありますが、病気の予防のための食事ならば食事摂取基準が使いやすいです。

 

日本人の食事摂取基準2020年版では以下のように記載されています。自分の性別、年齢、身体活動レベルから表の数字を選びます。

 

身体活動レベルとは、自分は普段どのくらい身体を動かしているかを3段階で示すものです。よく動かしているレベルⅢであると、動く分エネルギーが必要になるので、必要エネルギー量が多くなっています。

 

身体活動レベルは以下を参考に設定してください。

  • 家での生活が主な方、75歳以上で外出をほとんどしない方・・・「身体活動レベルⅠ」
  • 身体を動かす機会の多い方、75歳以上で自立して生活している方・・・「身体活動レベルⅡ」
  • 力仕事をしている、普段から運動している方・・・「身体活動レベルⅢ」

 

 

例えば、76歳の女性、主婦で買い物に外出する方は(自立した生活ができているので)「身体活動レベルⅡ」を、67歳男性で外出することが少なく、ほとんど自宅で過ごしている方は「身体活動レベルⅠ」を設定します。

  

あなたの性別、年齢、身体活動レベルをみながら表から推定必要エネルギー量を選び、食事の量を設定しましょう。

 

 

2.主食は必要エネルギー量に対応する量を摂る

主食となるご飯の量は必要エネルギーを設定したらそれに合ったものに自動的に決めます。

 

以下の表にあわせてご飯の量とします。

 

この表はご飯から適度なエネルギーを確保できるように主食量を設けていますので、自分の食事の量(必要エネルギー量)に対するご飯の量を選びます。

 

ご飯の量は毎食選んだ量となります。白いご飯でも五穀米でも同じです。

正確にはエネルギー量は異なりますが、気にしなくてもいい範囲ですので大丈夫です。

 

ご飯は毎食測って適量を摂ることをおすすめします。

 

 

3. 主菜から十分なたんぱく質を摂る

主菜はたんぱく質をしっかり摂れるように、肉、魚、卵、豆腐などを使いましょう。

 

1日の目安は自分の手のひらの大きさを基にするとわかりやすいです(手ばかり法とも言います)。

以下を1日で食べるようにしましょう。

  • 肉・・・手のひら片手分
  • 魚・・・手のひら片手分
  • 卵・・・1個
  • 豆腐・・・手のひら片手1/2分

 

魚を毎日食べることが難しい方は「肉・・・手のひら片手分」を2セットで大丈夫です。ただ、肉と魚では含まれる栄養素が異なるので、偏らず両方を食べるといいでしょう。

魚に含まれるDHA、EPAなどの脂肪は、循環器系の病気予防に有効との研究報告もありますが、メタアナリシスでは否定的な見方もあり、今後の研究が待たれます。

 

また主菜ではないですが、牛乳をコップ1杯(またはヨーグルト1個、できれば無糖のもの)をとるとたんぱく質とカルシウムを摂れるのでおすすめです。

  

 

4. 副菜でいろいろな野菜を摂る

副菜は1回の食事で2品用意しましょう。

 

より多くの種類のビタミンやミネラルを摂るためことができますので、 野菜はいろいろな種類のものを摂りましょう。

 

1食の目安は、「生野菜なら両手分、ゆで野菜なら片手分」です。

また、1日のうちで豆腐や納豆などを副菜の1品としてもいいです。納豆はビタミンKが多く定期的に摂ることをおすすめします。

 

 

5.(必要ならば)おやつには果物やナッツを

これまでで基本的に1日3食の食事で必要なエネルギーを摂れるように献立を立てることができますが、

ときどきおやつを食べることは大丈夫です。

 

おやつなどの食べることの楽しみになりますし、特別食べてはいけないものはありませんので楽しむ程度に食べても大丈夫です。

食べすぎは別の病気のリスクが大きくなるので注意は必要ですが。

 

おすすめはビタミン、ミネラルを摂れる「果物」や、ビタミンEを摂れる「ナッツ」です。果物はみかんで1日1個、りんごで1日1/2個を目安とします。また、ナッツは無塩のものを選びましょう。

 

 

 

以上、65歳からのフレイル予防に最適な食事を基礎編で紹介しました。実践編ではより詳しく食事の摂り方を紹介します。

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