「自分や高齢の家族にとって、どれくらいの体重が適切なのか知りたい」
高齢の方にとって健康的な生活を送るためには、肥満や痩せでなく、適切な体重を維持することが大切です。
自分に合った体重を知っておくことで、健康管理の指標になるだけでなく、
気づきにくい体調の異変に体重で気づくことにつながります。
ここでは、高齢の方向けの適切な体重の計算方法を紹介しています。
健康管理ではさまざまなところで自分の適切な体重を用いることがあるので、一度把握しておくことをおすすめします。
高齢者向けの適切な体重を計算する方法
「身長×身長×22~25」で計算する
高齢の方の適正な体重は以下の式で計算します。
BMI(Body Mass Index)という指標を使った一般的な標準体重の計算方法を基にしていますが、
高齢の方向けの計算方法は、計算式の係数が少し高めに設定されています。
以下が実際の計算方法です。
計算方法①身長を測る
適切な体重の計算では自分の身長を用いるので、まずは身長を測ります。
1cmより小さい数字(0.5cmなど)はなくて大丈夫です。
身長を測れない方は、だいたいの数字でいいですが、
できればどこかで測るようにして、測ったあとに再度計算をし直した方がいいと思います。
計算方法②適切な体重を計算する
適切な体重の計算式をみると、係数が「22~25」と幅があります。
なので「22」と「25」で2回計算します。
※身長の単位は「cm」ではなく「m」を使って計算してください。
それぞれ計算した2つの数字の間が自分の適切な体重です。
適切な体重に幅があるとわかりにくい方は、
ふたつの数字の中央を自分の適切な体重と考えても大丈夫です。
(例)身長145cmの場合
1.45m × 1.45m × 22 ≒ 46.3kg
1.45m × 1.45m × 25 ≒ 52.6kg
身長145cmの方の適切な体重は46.3~52.6kgです。
幅の真ん中の49.5kgを適切な体重と考えてもいいです。
自分に適切な体重が高めに設定してある理由
高齢の方向けの自分に適切な体重が高めに設定してあるのは
高齢者の場合は若年・中年者に比べて「死亡率や発病率を総合的にみて、BMIがやや大きい方が望ましい」ことが分かっているためです。
高齢の方の予後を悪くしてしまう恐れのある病気は多くあります。
その中で注目されている「フレイル」は虚弱の状態を指すもので、
筋肉量や体重そのものが減少してしまうことがフレイルになる危険性を高めてしまいます。
そのため(過度な肥満はもちろん良くないですが)、
「高齢者の痩せを予防するため、十分な栄養を確保する」ための取り組みがおこなわれています。
実際、厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準2020年版には以下のように記載されています。
高齢者では、フレイルの予防及び生活習慣病の発症予防の両者に配慮する必要があることも踏まえ、当面目標と する BMI の範囲を 21.5〜24.9 kg/m2 とした。
厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020年版
以下の表は厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準2020年版に記載される「年代別の目標とする BMI の範囲」ですが、
若年、中年層に比べ、65歳以上高齢層は高い数字に設定されています。
このように、高齢者にとって「痩せの予防」が予後の悪化を防ぐために重要とされているので、
高齢の方の自分に適切な体重をやや高めに設定し栄養管理をおこないます。
あなたが肥満改善のためにダイエットをしたいと思っているならば、
急激な減量は予後を悪化させる恐れがあるのでダイエットのやり方に気をつけてください。
以下のページで、管理栄養士がすすめる高齢の方に向けたダイエットの方法を紹介しているので、参考にしていただけたらと思います。
ダイエットがかえって健康を害してしまわないように注意していただきたいです。
まとめ
○高齢者向けの自分に適切な体重は「身長×身長×22~25」
○高齢者の自分に適切な体重が高めに設定されているのは、痩せを予防するため
以上、「高齢者向け 自分に適切な体重とは」について適切な体重の計算方法を紹介しました。
繰り返しますが、適切な体重は健康管理のいろいろな場面で使うものなので、
一度自分の適切な体重を把握しておくことをおすすめします。