「高齢者が減塩をするとき気をつけた方がいいことがあるの?」
食塩の摂りすぎは高血圧や腎臓病といった病気にかかりやすくなったり病気を悪化させてしまったりする恐れがあるので、
食塩の摂る量を少なくする「減塩」は、どの年代でも健康維持に重要となります。
ただ、高齢の方が減塩を実践していく上で気をつけておかなければならない重要なことがあります。
管理栄養士が臨床の場でも指導しているものなのでチェックしてみてください。
高齢者の減塩より重要なことを確認しておく
①食事量が減ってしまう場合がある
高齢の方は味を感じにくいことにより、あるリスクが高まります。
味を感じにくい理由は年齢の増加によって味覚が鈍くなっているためで、料理全体の味を認識しにくい状態です。ひとによって味覚は異なるのですが、総じて身体の機能が低下していくように味覚も鈍くなります。
味覚の低下は高齢の方にとって健康に大きな悪い影響を及ぼす可能性があります。
それは食事が摂れなくなることにより「低栄養のリスクが高まる」ことです。
高齢の方が今後も健康を維持するためには十分な栄養を食事から摂ることが重要です。そのため、減塩をすることで食欲が失われ、食事が摂れなくなる方がより良くありません。
つまり高齢の方は『減塩によって食事量の低下を招かないようにする』ことが重要です。
②低栄養の予防を優先する
高齢の方は食事を摂り低栄養を予防することを優先しましょう。
年を重ねるほど噛む力や飲み込む力は衰えていき、やがて食事の量が減っていきます。
私の経験でいうと、
食べられない状態から食事を摂れるようになるまで回復することは簡単ではありません。
食べられないもどかしさや、徐々に落ちていく体力に無力感を感じておられる方をみると、もっと早くから栄養をしっかりと摂れていればと思うことがあります。
高齢の方は長く健康に生きるためには、食べられるときにしっかり食事をとり、生きる体力を維持することがなにより大切です。
特に後期高齢者のなかには、おなかいっぱいまで食事をとっても、
食べられる量が少ないので、結果的に食塩の摂る量が多くないため減塩を必要としないケースもあります。
ですので減塩が本当に必要かは主治医や管理栄養士とよく相談したほうがいいです。
実際、高血圧の治療として血圧の薬を飲んでいるので、血圧の管理は薬に任せといて、低栄養を予防するために食事は普通の食事を提供することもあります。
ただし、治療としての減塩をしている場合は必ず医師の指示に従ってください。
③治療としての減塩は専門家に任せる
病院などで治療の一環として減塩をしているならば、主治医や管理栄養士の指示に従いましょう。
管理栄養士は食塩だけでなく、あなたが摂っている栄養を総合的に評価した上で状態にあった減塩の方法を提示しますので、管理栄養士の指示する食事を基本としてほしいです。
管理栄養士に相談するときは、普段何を食べるかだけでなく、以前に比べて食欲があるか、食事が摂れなくなっていないかも合わせて話しておくといいです。
場合によっては減塩を中止する必要がありますので、気になることは何でも話しておきましょう。
管理栄養士がすすめる減塩の方法とは
以下のページでは、
高齢者の味覚に合わせて減塩ができる方法を紹介しています。
この方法は管理栄養士が実際に臨床現場でも指導しているものなのでぜひご参考ください。
まとめ
○減塩が食事量の低下を招かないように気をつける
○高齢者は低栄養の予防を優先する
○治療としての減塩は専門家に任せる
以上、高齢の方が減塩をするときに気を付けることを紹介しました。
減塩による健康維持も大切ではありますが、それよりも食事をしっかりと摂ることで低栄養を予防することが今後の生活に非常に重要となります。