「必要なカルシウムが摂れているかを確認する方法はありますか」
カルシウムは骨を形成する栄養素であり、心臓の働きやさまざまな代謝などに使われます。
カルシウムの摂取が不足している場合、骨の中のカルシウム量が減り、骨密度が低下することで骨粗鬆症を招いてしまいます。
また、骨粗鬆症は骨折のリスクを高めてしまいます。
骨粗鬆症を予防するために、今の自分にとってカルシウムが摂れているかをチェックしてみませんか。
ここでは簡単にカルシウムが足りているかを調べることができる方法を紹介しています。
一度自分のカルシウム摂取を調べてみてはいかがでしょうか。
質問に回答するだけ カルシウム摂取状況を簡単に調べる方法
自分が今どのくらいのカルシウムを摂っているか、必要なカルシウムが摂れているかを簡単に調べる方法があります。
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版では、「カルシウム自己チェック表」を用いたカルシウム摂取量を調べる方法が記載されています。
この「カルシウム自己チェック表」は質問の内容の食品をどのくらいの頻度で食べているかなどを10問回答するものです。
あなたのカルシウム摂取量は○○mgといった細かな数値は出ませんが、骨粗鬆症を予防するのに必要な量が摂れているかを把握するには十分な妥当性が報告されています。
では実際に「カルシウム自己チェック表」を回答してみましょう。
①「カルシウム自己チェック表」を回答する
以下、自分の食事を振り返り、当てはまるものを選らび点数を合計してください。
(1)牛乳を毎日どのくらい飲みますか?
ほとんど飲まない・・・0点
月1~2回・・・0.5点
週1~2回・・・1点
週3~4回・・・2点
ほとんど毎日・・・4点
(2)ヨーグルトをよく食べますか?
ほとんど食べない・・・0点
週1~2回・・・0.5点
週3~4回・・・1点
ほとんど毎日・・・2点
ほとんど毎日2個・・・4点
(3)チーズ等の乳製品やスキムミルクをよく食べますか?
ほとんど食べない・・・0点
週1~2回・・・0.5点
週3~4回・・・1点
ほとんど毎日・・・2点
2種類以上毎日・・・4点
(4)大豆、納豆など豆類をよく食べますか?
ほとんど食べない・・・0点
週1~2回・・・0.5点
週3~4回・・・1点
ほとんど毎日・・・2点
2種類以上毎日・・・4点
(5)豆腐、がんも、厚揚げなど大豆製品をよく食べますか?
ほとんど食べない・・・0点
週1~2回・・・0.5点
週3~4回・・・1点
ほとんど毎日・・・2点
2種類以上毎日・・・4点
(6)ほうれん草、小松菜、チンゲン菜などの青菜をよく食べますか?
ほとんど食べない・・・0点
週1~2回・・・0.5点
週3~4回・・・1点
ほとんど毎日・・・2点
2種類以上毎日・・・4点
(7)海藻類をよく食べますか?
ほとんど食べない・・・0点
週1~2回・・・0.5点
週3~4回・・・1点
ほとんど毎日・・・2点
(この質問のみ4点となる回答は設定されていません)
(8)シシャモ、丸干しいわしなど骨ごと食べられる魚を食べますか?
ほとんど飲まない・・・0点
月1~2回・・・0.5点
週1~2回・・・1点
週3~4回・・・2点
ほとんど毎日・・・4点
(9)しらす干し、干し海老など小魚類を食べますか?
ほとんど食べない・・・0点
週1~2回・・・0.5点
週3~4回・・・1点
ほとんど毎日・・・2点
2種類以上毎日・・・4点
(10)朝食、昼食、夕食と1日に3食を食べますか?
1日1~2食・・・0.5点
欠食が多い・・・2点
きちんと3食・・・4点
(この質問のみ0点、1点となる回答は設定されていません)
②結果から判定をみる
以上10問の点数を合計したら、
合計点数をみながら以下の判定を選んでください。
良い(20点以上)
骨粗鬆症の予防として推奨されているカルシウム摂取量が摂れていると判定されます。
○少し足りない(16~19点) 足りない(11~15点)
推定でカルシウム摂取量が1日600~800mgとなると判定されます。
骨粗鬆症の予防にはもう少し多くカルシウムを摂取したいので、カルシウムを多く含む食品を摂ったり、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを摂ったりして
よりカルシウムを多く身体に取り込むようにしましょう。
○かなり足りない(8~10点) まったく足りない(0~7点)
骨粗鬆症の予防に限らずカルシウムの摂取量が不足しているとの判定です。
今のカルシウム摂取では骨粗鬆症リスクを高める恐れがあるのでカルシウムを多く含む食品を食事に取り入れましょう。
骨粗鬆症予防のための食事はこちらで紹介しています。
正確に調べるには「骨密度検査」と「血液検査」を受ける
「カルシウム自己チェック表」は簡便なカルシウム摂取調査票なので、より正確に必要なカルシウムが摂れているかを調べるには
- 自分の骨の状態が良好かを検査する「骨密度検査」
- 身体の中のカルシウム量が適切かを検査する「血液検査」
これらを医療機関などで受けるとより正確に自分の状況を把握することができます。
骨密度検査はX線を使用したDEXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)で身体の一部や全身の骨密度を測ることができます。
大きな機器を使用するので、主に病院で検査されています。骨粗鬆症が気になるときはかかりつけの医師に相談し、医師の意見を伺ってみてください。
簡易的な骨密度検査としてかかとや手の骨の骨密度を超音波で測る装置もあります。測定は数十秒で終わるので簡単に骨密度を測ることができます。
各地の健康イベントやドラッグストアなどで無料の検査を受けられるところもあるので機会があれば検査を受けてみてください。
また、血液検査で「血中カルシウム濃度」を測定することで身体のカルシウム量を調べることができます。
健康診断などでは一般的に検査しないので、かかりつけ医の指示を受けてください。
骨粗鬆症予防のための食事とは
カルシウムが足りていない、骨密度が少ないといった場合は、骨粗鬆症のリスクが高まっているおそれがあります。
骨粗鬆症を予防するためには骨を形成するカルシウムを主体にカルシウムの吸収を助けるビタミンDなどを摂る食事をすることが有効です。
具体的な骨粗鬆症予防のための食事を以下のページで紹介していますので合わせてご参考いただけたらと思います。
(別リンク)
参考文献
骨粗鬆症予防と治療ガイドライン2015年版, 156, 2015
まとめ
○骨粗鬆症の予防に必要なカルシウムの量は「カルシウム自己チェック表」を使うと簡単に調べられる
○正確にカルシウムの摂取を調べるには「骨密度検査」と「血液検査」を受ける
以上、「骨粗鬆症予防に必要なカルシウム量が摂れているか簡単に調べる方法」について紹介しました。
質問に回答するだけでカルシウムの量が足りているかを調べることができるので、ぜひご参考に調べてみてください。