卵はアレルギーを起こしやすいと聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。赤ちゃんに初めて食べさせる時には不安になりますよね。
卵は栄養が豊富なうえ、料理にも使いやすくやわらかく調理しやすい食材です。食べられるようになると、赤ちゃんに栄養のある離乳食を与えることができるだけでなく、離乳食のレパートリーも増えてとても便利ですよ。
今回は、卵の調理方法、食べ進め方などを紹介します。アレルギーが気になる方へポイントをまとめていますので参考にしてください。
離乳食の卵はいつから食べられる?
離乳食の卵は卵黄から始めます。卵黄は離乳食初期から与えることができます。おかゆや野菜など順調に食べ進み、豆腐やしらす、白身魚などのたんぱく質に慣れてきたら卵黄に挑戦してみましょう。
目安の時期としては、離乳食を5ヶ月から始めた場合、たんぱく質に慣れてくる6ヶ月頃です。
食べるのを遅らせてもアレルギーの予防にはならないので、目安の時期に少量から始めてみましょう。耳かき1杯程度のごく少量から始めると安心です。
卵白は卵黄が食べられるようになってからです。6ヶ月頃に卵黄を開始した場合、離乳食中期の7~8ヶ月頃が卵白のスタートの目安です。
卵でもっともアレルゲン性が強いのは、卵白に含まれる「オボアルブミン」「オボムコイド」などのタンパク質です。卵アレルギーは卵白が原因であることが多く、卵黄のアレルゲン性は強くありません。そのため、離乳食は卵黄から始め、卵黄1個を食べられるようになったら卵白に挑戦していきます。
卵黄(6ヶ月頃~)➡卵白(7~8ヶ月頃~)➡全卵
時期別の進め方と目安量
表の目安量は1食でたんぱく質源食品を卵のみ使用した場合の目安です。他のたんぱく質源食品を使う場合は、量をそれぞれ減らします。
離乳初期
耳かき1杯の量から始め、卵黄1個を目標に、少しずつ量を増やします。
固ゆで卵の卵黄をお湯で伸ばしてペースト状にして食べさせます。
離乳中期
卵黄1個分が食べられるようになったら、卵白を試しましょう。固ゆで卵の卵白を、耳かき1杯の量から始めます。卵白に問題がなければ、卵白と卵黄を混ぜて食べさせてみましょう。全卵1/3個分が目標です。
卵白は2~3mm角のみじん切りにするか、裏ごしして食べさせます。食べにくそうであれば、お湯で伸ばしたり、とろみをつけたりすると食べやすくなります。
離乳後期
卵白を1/3個分ほど食べられるようになったら、全卵1/2個まで量を増やしていきましょう。
固ゆで卵を5~7mm角の粗いみじん切りにして食べさせます。
離乳完了期
全卵を1/2~2/3個まで食べられるようになります。
固ゆで卵を1cm角に切って食べさせます。
実践!どのように食べさせる?調理方法と食べ進め方
★卵は離乳食では全期間を通して、必ず加熱する
★20分加熱した固ゆで卵の卵黄から始める
卵のアレルゲン性は加熱によって低下します。加熱時間が長く、温度が高いほどその効果は高く、アレルギー症状を起こしにくいことがわかっています。
また、卵を加熱することは衛生的にも大切なので、離乳食ではしっかりと加熱しましょう。
①固ゆでの卵黄(6ヶ月頃~)
まずは固ゆでした卵の卵黄を少量食べさせます。ゆで卵にすることで、中まで完全に火を通すことができ、卵黄と卵白を確実に分けることができます。
初めて食べさせる時の方法は
- 卵を沸騰後20分程度ゆでて、固ゆで卵を作りましょう。
- 殻をむいて半分に切り、卵黄を取り出します。
- 卵白の成分が混じらないように、卵黄の中心部分をスプーンなどで少量すくい取ります。
- 卵黄はつぶしてお湯などでのばし、食べさせます。
卵白のアレルゲンが溶け出して卵黄に移行することがあるので、ゆで卵ができたらなるべく早く卵黄を取り出しましょう。
慣れてきたらおかゆに混ぜてもいいですが、初めは単品で食べさせましょう。耳かき1杯程度から始め、問題なく食べられたら小さじ1/4、小さじ1/2、小さじ1と少しずつ増やし、中期頃には卵黄1個を目指しましょう。毎日食べさせても問題ないですが、アレルギーが心配な場合は念のため、数日おきにすると安心です。
②固ゆでの卵白(7~8ヶ月頃~)
卵黄1個分が食べられるようになったら、次は固ゆでした卵の卵白を少量食べさせます。
卵黄の時と同じように、20分程度ゆでた固ゆで卵を作りましょう。殻をむいて半分に切り、卵白を少量、小さく刻んで食べさせます。初めは単品であげましょう。
耳かき1杯程度から始め、1~2日あけて耳かき2~3杯、また1~2日あけて小さじ1/4というようにゆっくりと進めます。
中期の目安量は全卵1/3個までなので、卵白も1/3個まで少しずつ増やしていきましょう。
卵白の方がアレルギーは起こりやすいので、心配であれば卵黄より小刻みに増やしていってもいいですよ。
③全卵
卵白が1/3個程度食べられるようになったら、全卵がOKになります。完全に火が通っていることが原則なので、火が通りにくい、または火が通っているかわかりにくい卵焼きなどは初めはおすすめできません。固ゆで卵で全卵に慣れてきたら、しっかり火を通した薄焼き卵や炒り卵などに挑戦してみるといいですよ。
全卵の量の目安は、中期1/3個、後期1/2個、完了期2/3個です。目安の量を守り、少量ずつ試してみましょう。
卵黄は冷凍保存可能!
ゆで卵の卵黄は冷凍保存することができます。必要な分だけをラップ等で小分けにする、または冷凍保存袋に入れて冷凍し、必要な分だけ解凍します。
ゆで卵の卵白は冷凍すると食感が変わるので、冷凍保存には向きませんが、薄焼き卵や炒り卵にすると、冷凍は可能です。
初めての卵はボーロからでもいい?
初めて卵を食べさせるときに、「ボーロから始めてもいい?」という質問をよく受けます。
私は「固ゆでの卵黄からをおすすめします」とお答えしています。確かにボーロ一粒に含まれる卵はほんの少し。しかし、ボーロは他の食材も混ざっているので、万が一、アレルギー症状が出てもアレルゲンが特定しにくくなります。
「アレルギーが怖いからボーロで試す」という方がいれば、自分でしっかりとゆでて作ったゆで卵の方が安心です。ゆで卵であれば、自分で量も調節できますよ。
「ゆで卵より楽だからボーロを試す」という方もいるでしょう。耳かき1杯のためにゆで卵を作るなんて…と思うのは当然です。離乳食用にと考えるのではなく、その日の夕食で卵サラダ等に利用しましょう。
市販のボーロは卵黄のみを使っているものと、全卵を使っているものがあります。
ボーロから始めることを勧める医師もいるので、ボーロを食べさせようかなという場合には、卵黄のみを使っているものを選びましょう。ただし、ボーロがOKでも卵そのものを食べると症状が出る場合もあります。
ボーロから始めてもいいかということに対して明確な答えはありませんが、いずれにせよ、卵を食べさせる時には卵黄を少量から始めます。
なので、固ゆでの卵黄から始めることをおすすめします。
まとめ
◦離乳初期から固ゆでの卵黄をごく少量からはじめる
◦卵は離乳食では全期間を通して、必ず加熱する
◦卵白は卵黄が食べられるようになってから
以上、卵の調理方法、食べ進め方などを紹介しました。卵はアレルギーが起こりやすい食材ではありますが、とても栄養のある食材でもあります。ポイントをおさえて離乳食を進めてみてください。
そのほかの関連記事はこちら⇩
広告欄: