身体のエネルギーとなるATPを理解する

独学

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<今回の目標>

  • 生命を動かすエネルギーとはどのようなものかを知る
  • ATP(アデノシン三リン酸)とは何かを知る
  • ATPが身体にとってどのように働くのかを知る

 

ひとは食事から多くの栄養を摂っています。栄養は生命を維持するのに様々な役割を担っていますが、そのひとつに「身体を動かすエネルギーの材料となる」という大きな役割があります。

 

栄養を摂ることが、身体のエネルギーを生成し生命を維持することに欠かせないことを理解することが栄養学の基礎作りとなりますので、今回の内容はしっかりと把握しておきましょう。

 

 

 

身体のエネルギーとなるATPとは

 

ひとは生きていくためにエネルギーを必要とします。私たちは植物のように光合成でエネルギーを作ることはできないので、外部から食事として栄養を摂り、栄養をエネルギーに変えています。

 

栄養が足りない(エネルギーが足りない)と痩せて飢餓になり栄養不足で命を落としてしまうこともあります。反対に栄養を摂りすぎる(エネルギーを摂りすぎる)と太って肥満になり、糖尿病などの病気を引き起こすといったリスクが高まることで生命維持に危険を及ぼします。

 

身体に必要なエネルギーは必要な量を適切に摂ることが重要とされています。

ではひとが生きていくのに必要なエネルギーとはいったいどのようなものでしょうか。

 

 

ひとは化学エネルギーのうち「自由エネルギー」を使って生きている

 

ひとは栄養からエネルギーを生成して生命を維持していますが、そのエネルギーは化学エネルギーといわれるものです。

化学エネルギーとは学生時代に理科の授業で習った熱エネルギーや電気エネルギーといったものです。

 

ひとはこのうち「自由エネルギー」というエネルギーを使って様々な器官を動かすことで、呼吸したり食べ物を消化したりしています。

 

つまり、ひとは食事から摂った栄養から自由エネルギーを作り出して生命を維持しています。

 

 

ATP(アデノシン三リン酸)からエネルギーが生まれる

 

では、ひとはどのように栄養からエネルギーを作り出しているのでしょうか。

ひとが生きるのに必要なエネルギーは「アデノシン三リン酸(ATP)」という物質が関わっています。

 

ATPと呼ばれる物質はアデニン、リボースと呼ばれる物質に3つのリン酸が結合してできているもので、この結合は高エネルギーリン酸結合と呼ばれるほど大きなエネルギーを有しており、ATPは高いエネルギーをもった物質とされています。

 

このATPを形作る3つのリン酸のうち、1つ(または2つ)のリン酸が、身体の中で分解されるときに大きなエネルギーが生まれ、この生まれたエネルギーを受けて生命を動かしていると言われています。

 

 

ATPは「エネルギーの通貨」

 

ATPは身体のどの器官でも使えるエネルギー物質とされており、エネルギーの通貨と言われています。 

 

ひとは栄養からATPというエネルギー物質を生成してエネルギーを管理しています。

具体的にそれぞれの栄養素からどのようにATPを生成しエネルギーを作り出していくかは別ページにて詳細を見ていきますが、

どの栄養素からも生きるのに必要なエネルギーとしてATPが重要なカギを握っているので、ATPはまず頭に入れておきましょう。

 

 

ATPは細胞の中に貯めることができない

 

ATPは残念ながら身体の細胞の中に貯めておくことができません。ATPは常に生成と分解を繰り返しながら均衡を保つ特徴があります。

 

ひとが食事から栄養を摂らないと生きることができないのは、生きるのに必要なエネルギーとなるATPの材料となる栄養を摂り続けないといけないためです。

 

栄養自体は身体に貯めることができます。例えばたくさん食事を摂ると脂肪がたまって太るのは、ATPの材料となる脂肪が身体に溜まっている状態で、ATP自体が蓄積されているわけではないことを整理しておいてください。

 

 

 

ATPを生成することが栄養素を摂る大きな役割のひとつ

 

ATPとはエネルギー物質であることを大まかに理解することができましたか。

これから栄養学を勉強していく上で、栄養素には「ATPの材料となる栄養素」と「ATPを作るときの補助となる栄養素」があることに着目して勉強していくと、自分や家族の栄養を管理するうえでとても生きてきます。

 

同じ食事でも、食事からエネルギーを効率的に生成できる組み合わせは、栄養バランスの整った食事となりますし、

「ATPの材料となる栄養素」と「ATPを作るときの補助となる栄養素」のどちらかだけが偏ってしまうと栄養バランスは整っているとは言い難くなります。

 

今後炭水化物や脂質といった栄養素がどのようにATPに変わっていくのか、代謝を学んでいきますが、

ひとが生きるのに必要なエネルギーの生成、つまりATPの生成に主軸を置くことで栄養学を学ぶ意義がぶれずに勉強を進めることができますので、今回の内容は十分に頭に入れて次に進んでください。

 

 

 

まとめ

○ひとが生きていくためにはエネルギーが必要

○ひとは栄養からATPという物質を生成し、ATPからエネルギーを取り出している

○栄養を摂ることはATPの生成に重要で、生きていくには栄養を摂り続けなければならない

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