【管理栄養士おすすめ】減塩のコツ①

成人の食事

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食塩を摂りすぎることが病気を招く恐れがあることから、厚労省が発表する日本人の食事摂取基準2020年版という栄養の基準となる指標の中で、1日当たりの食塩を摂る量の目標量を引き下げました。目標量は成人男性で1日7.5g未満、成人女性で1日7.0g未満です。

さらに、高血圧や腎臓病の病気を考えると、目標量よりもさらに低い量である1日6g未満が好ましいとされています。

 

食事摂取基準についての概要はこちらに簡単にまとめています。

 

食塩の摂る量を少なくする「減塩」が健康にいいことはわかりますが、減塩と聞くとすなわち料理の味が薄くなる、食事がおいしくなくなるのではと考える方が多いと思います。

実際、料理に使う調味料の多くに食塩が含まれているので、「食塩を減らす⇒調味料を減らす⇒味が薄くなる」のはもっともです。

 

食塩を摂りすぎないことは習慣的に実践してこそ健康維持に役立つのですが、そもそもおいしくない食事を続けることは難しいですし、栄養士としても薄味をずっと我慢して食べろとは言えません。食事はおいしく楽しいものであってほしいのが栄養士としての願いですから。

 

今回は食塩の摂取量を減らしながら、食事をおいしく食べてもらえるように、栄養士の勧める「減塩」の進め方について、6つのステップをご紹介します。

 

!注意! 病気を抱える方に対して栄養士より「制限」「食べてはいけない」と指示することがあります。治療に必要な食事療法ですのでそちらの指示に従ってください。

 

                                            

【管理栄養士おすすめ】減塩のコツ①

  1. 減塩の考え方を知る
  2. 塩味以外の味覚を知る
  3. 代表的な「代わりの」味付けを実践する

【管理栄養士おすすめ】減塩のコツ② (別ページ)

  1. 見えない食塩に注意する
  2. 食塩の多く含む食べ物を控える
  3. 食塩は量のバランス調整を理解する(推奨)

 

 

1.減塩の考え方を知る

「減塩⇒調味料を減らす⇒味が薄くなる」は本来の減塩ではありません。

減塩の目的は食塩の摂取を減らすことですので、もちろん食事自体の味を落とす必要はありません。

 

食事には様々な味があり、食塩は『塩味』という味覚になります。

当たり前ですが、食事には塩味以外の味もありますので食塩を減らして塩味を抑えた料理でも「ほかの味を生かした味付け」にすることで、食事全体の味付けは薄くしなくてもいいです。

   

つまり、食塩が含まれていない、もしくは食塩の少ない調味料を使って味を付けることで、料理の味付けが薄くならなくても、食塩を摂る量が減っていれば減塩ができています。

減塩の考え方は、「減塩⇒調味料を食塩が含まれていない、もしくは食塩の少ない調味料を代わりに使用する⇒味付けが薄くならず豊かになる」が適切です。

 

減塩は日々続けていく事が大切です。減塩によってむしろ料理の味の種類が増すことでよりおいしい食事にすることが継続のポイントです。

 

 

2.塩味以外の味覚を知る

味覚について簡単に理解しましょう。

味覚には、『うま味』、『塩味』、『甘味』、『酸味』、『苦味』の5つがあります。

食塩は『塩味』であることは先程も述べましたので他の味覚を見ていきます。

 

『うま味』はこんぶなどの出汁、『甘味』は砂糖や果物、『酸味』はお酢やレモン、『苦味』はゴーヤなどが例に挙げられます。

また、梅干しに『塩味』と『酸味』が合わさっているように、ひとつの食品から複数の味覚を感じることもあります。

 

ちなみに唐辛子などの「辛味」は痛覚ですので味覚ではありません。ただ料理には欠かせない味のひとつです。

辛い料理が得意な方は舌の痛覚が他人と異なる感性なのかもしれないです。

 

ここで重要なのは、食事は塩味だけでなくたくさんの味でできていることを知り実感してもらうことです。

塩味でないほかの味を有効に使い、おいしい食事が想像できればここまでクリアできています。

 

 

3.代表的な「代わりの」味付けを実践する

では実際にどのような味付けにすることで減塩してもおいしい食事となるのでしょうか。

 

栄養士がよく紹介するものは『うま味』と『酸味』です。

和食の代表格『うま味』は言わずと知れた日本人に馴染み深い味付けです。これを『塩味』に頼らず『うま味』のある料理にするにはある方法が有効です。

それは『うま味』を複合的に使用し相乗効果を生かすことです。

こんぶにはグルタミン酸という成分が含まれており、『うま味』のもとです。一方、同じ『うま味』を感じるかつお節にはイノシン酸、干ししいたけにはグアニル酸という違ったうま味成分がそれぞれ含まれており、一言に『うま味』といっても様々なうま味成分があります。

 

これら成分を合わせて使用することで、『うま味』の特徴である相乗効果が生まれ、それぞれの『うま味』をより引き立ててくれることでより味を強く感じることができます。

料理が好きな方はもう実践しているかもしれないですね。複数のうま味を使うというシンプルながら強力な減塩の味方となってくれるこの相乗効果は、減塩をする方に栄養士がお勧めする代表的な味付けの基本ですのでぜひ活用してみてください。

 

次によく勧めるのは『酸味』の活用です。特にお酢の使用を勧めます。

お酢は味付けにメリハリをつけるだけでなく、お酢を摂ること自体に血圧や血中コレステロール値の低下効果などが報告されています(こちらについては別のところで紹介します)。

減塩の効果をより高めるためにぜひ活用してもらいたい調味料です。

 

お酢を使った料理を副菜に一品加えるだけで食事の味に強弱ができ、『塩味』が少なくても食事が進みやすくなります。

魚料理にしょうゆでなくレモン汁をかけるなど調味料をそのまま代替えするのも効果的です。

レモンやカボスなどは香りも楽しめるので味覚だけでなく嗅覚も刺激しより食欲が増しますね。

 

注意すべきとして、お酢を使った料理でお勧めするのは酢の物などを指します。酢を使用するからと言って漬物をたくさん摂ることはお勧めできません

漬物は、お酢と一緒に食塩を摂ってしまいますので減塩できていないことになります。酢の物なども食塩はほんの少量にしましょう。

 

また、『辛味』単体では食塩を含まないので味付けに使用してもかまいません。

ただし、からしや柚子胡椒などは食塩も含みますので気をつけてください。

 

できることから少しずつ、『うま味』と『酸味』を意識した食事選びを心がけてください。

  

  

後半はこちらから。

特に「⑥食塩は量のバランス調整を理解する」は自分の栄養を管理する上で重要な考えなのでぜひご一読ください。

後半の方がより読んでほしい内容です。

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