第37回 管理栄養士国家試験
16 介護保険制度に関する記述である。最も適当なのはどれか。 1 つ選べ。
(1) 保険者は、国である。
(2) 被保険者は、30歳以上の者である。
(3) 要介護状態は、介護の必要の程度に応じて区分される。
(4) 要介護認定は、主治医により行われる。
(5) 要介護度に応じて利用するサービスについて、利用者自身が選択・決定することはできない。
正解 (3)
解説:「要介護状態は、介護の必要の程度に応じて区分される。」はこの言葉通りです。要介護状態を「要介護度」と言うこともあります。
介護サービスを受けたい者は、どれでも好きなようにサービスを受けられるのではなく、自分の介護の必要の程度(どのくらい介護をしてもらう必要があるか)を客観的な指標で判定され、その者の介護必要性区分=要介護状態に合ったサービスの内容や時間、頻度等の枠の中から選択します。
要介護状態は「要支援」と「要介護」の大区分があり、それぞれ以下の区分で合計7区分定められています。
要支援:要支援1、要支援2
要介護:要介護1、要介護2、要介護3、要介護4、要介護5
×(1) 保険者は、国である。
→保険者は、市町村および特別区である。
介護保険の保険者は、介護サービスを受ける者が居住する各市町村(特別区の場合は特別区)と定められています。
×(2) 被保険者は、30歳以上の者である。
→被保険者は、40歳以上の者である。
介護保険の被保険者は、40歳からと定められています。
なお、被保険者の年齢によって呼び名が異なります。
・40歳〜64歳:第2号被保険者(ただし医療保険加入者が対象)
・65歳〜:第1号被保険者
×(4) 要介護認定は、主治医により行われる。
→要介護認定は、介護認定審査会により行われる。
要介護認定とは、ある方の介護の必要性に関する情報から、その方の介護度を決定することです。要介護認定は、「介護認定審査会」のメンバーが決定します。介護認定審査会は各市町村(介護保険の保険者)に設置され、定期的に審査会が行われています。
また、主治医は要介護認定を受ける方の医学的情報をまとめ提供します。
×(5) 要介護度に応じて利用するサービスについて、利用者自身が選択・決定することはできない。
→要介護度に応じて利用するサービスについて、利用者自身が選択・決定することはできない。
介護保険制度は「利用者(介護サービスを受ける者)自身が選択・決定する」というのが基本原則です。医療と同様にサービスを受ける者の意思が尊重されます。
ただし、問題文にもあるように「”要介護度に応じて”利用するサービス」の範囲内において選択・決定ができます。誰でも何でも介護サービスを選べるわけではなく、要介護認定により決定された要介護度(要介護状態)によって介護サービスの内容や頻度等の範囲があり、その中で自分に合った介護サービスを選択します。