年代別の1日に必要なカルシウム摂取量

子どもの食事
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「自分の必要なカルシウムの量を知りたい」

「子どもの成長にカルシウムをどのくらい摂らせたらいいか知りたい」

「骨粗鬆症にならないようにカルシウムを摂りたい」

 

カルシウムは、身体の基礎となる骨を作る栄養素です。

骨の健康を維持するために、ここでは年代別に1日に摂ってほしいカルシウムの量を紹介します。

 

年代ごとに必要なカルシウムの量や考え方が異なります。自分やご家族の年齢に沿ってご覧ください。

 

骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン2015年版において、カルシウムの摂取量が700~800mg/日を推奨していることを受け、この記事を骨粗鬆症などの予防に参考にしていただきたいことを理由に、 ここでは日本人の食事摂取基準2020年版のうち、各年代の推定平均必要量ではなく推奨量(1歳未満は目安量)を示しています。

 

 

1日に必要なカルシウム量

 

カルシウムの摂取は若年者までだと「骨量の最大値の増加に、中高年以降だと「骨量の維持」に重要ですので、

どの年代でもカルシウムの摂取は必要ですし、カルシウムを今さら摂ったところでもう遅いといったことはありませんよ。

 

 

乳児・・・男女ともに200~250mgが目安

 

カルシウムの目安量(mg/日)

  男児 女児
0~5ヶ月 200 200
6~11ヶ月 250 250

日本人の食事摂取基準2020年版より

 

日本人の食事摂取基準2020年版では、生後0~5ヶ月で1日に200mg、生後6~11ヶ月で1日に250mgが目安の量となっています。

 

お子様が母乳や粉ミルクを適度に飲んでいたらカルシウムを別に摂る必要はありません。

粉ミルクにはもともと十分なカルシウムが含まれていますので、追加でカルシウムを入れずにそのまま飲んでもらって大丈夫です。

母乳の場合は母親自身がカルシウムを必要な量を摂るようにすれば、お子様に母乳からカルシウムが十分に届きますよ。

 

また、離乳食を始める目安の生後5~6ヶ月から1日に必要なカルシウムの量が250mgに増えていますが、特別なものをお子様に摂ってもらう必要はありません。

詳しくは離乳食の記事で述べますが、お子様が食べることを楽しいと感じることが大切ですので、無理にカルシウムにこだわらず、お子様のペースで少しずついろいろなものを口にしていけば十分です。

 

「母乳やミルクを飲む量が少ない」、「検診などで指摘を受けた」などお子様の栄養が心配な方へ

ひとりひとり成長の早さが違うように、お子様にあった栄養の摂り方はひとりひとり違います。ひとりで悩まなくても大丈夫です。なんでも医師や栄養士を頼って構いませんので気軽に相談してくださいね。

 

 

幼児・・・男児で450~600mg、女児で400~550mgを推奨 

 

カルシウムの推奨量(mg/日)

  男児 女児
1~2歳 450 400
3~5歳 600 550

日本人の食事摂取基準2020年版より

 

 

お子様が1~4歳のとき、最初の骨密度が上昇する時期です。

この時期に十分な栄養に加え、習慣的にカルシウムを摂取することで骨の成長に適したカルシウム量をお子様に摂らせてあげましょう。

 

カルシウムをどの食品から摂ったらいいのかについてはコチラを参考にしていただいていいのですが

幼児期にはたくさんの食べ物を知り、食事の楽しさを感じてもらうことが大切ですので、お子様には記事の食品以外にも、様々なものを食べていただくことをおすすめします。

何かの食品に偏らず、カルシウムの多い食品の「牛乳・乳製品」、「大豆製品」、「小魚」、「小松菜などの野菜」のうちいろいろなものを食べましょう。

 

また、幼稚園や保育園等で給食に牛乳を飲まれているお子様の場合でも、カルシウムを摂りすぎるからと言ってご家庭で牛乳を控える必要はありません。

幼児期は食事量からみて、健康に支障がきたすほどカルシウムを摂り過ぎることはありませんので心配しなくても大丈夫です。

 

(日本人の食事摂取基準2020年版でも、カルシウムは0歳から17歳まで耐容上限量は決められていません。)

 

耐容上限量とは・・・

 健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限として「耐容上限量」を定義する。これを超えて摂取すると、過剰摂取によって生じる潜在的な健康障害のリスクが高まると考える。

厚生労働省:日本人の食事摂取基準2020年版

 

 

もし、お子様にアレルギーがある場合、当然アレルギー食品は摂らないでください。

 

カルシウムは牛乳・乳製品のほかに大豆製品、しらすなどの小魚、小松菜などの野菜というように様々な食品に含まれます。

ですので、お子様のアレルギー食品を取り除いても、代わりに別の食品を食べることでカルシウムは十分に摂ることができますから安心してください。

 

どの食品もアレルギーとなるなど摂ることができない場合は、必ず医師の指示に準じてください。

 

 

若年者・・・最大で1000mg(12~14歳男性)を推奨 ←より摂ってほしい年代

 

カルシウムの推奨量(mg/日)

  男性 女性
6~7歳 600 550
8~9歳 650 750
10~11歳 700 750
12~14歳 1000 800
15~17歳 800 650
18~29歳 800 650

日本人の食事摂取基準2020年版より

 

12~14歳で2回目の骨量の上昇時期が訪れます。

また思春期に骨量増加のピークを迎え、およそ20歳で骨量の最大値となります。

 

この時期にカルシウム摂取の追い込みをかけ、骨量の最大をより多いものにすることが予後の骨粗鬆症リスクを低減することに繋がります。

 

未来のことになりますが、骨密度が低下するときは必ず訪れます。女性は特に更年期を迎えると急激に骨密度が下がります。

骨密度の低下は骨折リスクを高め、引いては寝たきりになる可能性が高くなります。

 

今勉強されていることや仕事されていることなど、努力したことが報われ、やがて老後になり自分の好きなことをたくさんできる歳になったとき、

骨折してしまいやりたいことができなくなったらどうでしょうか。

 

しかし、そのリスクを若い今から下げることができますし、むしろ今が一番骨量を増やす事ができる年齢ですから、ぜひ今日からカルシウムを摂ってみてください。

 

カルシウムを摂れるおすすめの食品はこちらにまとめていますので、なにかひとつからでも始めてみてください。カルシウムは若い今のうちから摂った方が確実にいいです。

 

 

学校の給食で牛乳を飲んでいる方は、給食の牛乳200mlだけでおよそ200mg~220mgのカルシウムを摂っていることになります。

それでも1日の推奨量には届かないので、ご家庭でも牛乳やヨーグルト、大豆製品といったカルシウムの多い食品を積極的に摂りましょう。

 

 

中高年者・・・骨粗鬆症予防のため、男性で750mg、女性で650mgを推奨

 

カルシウムの推奨量(mg/日)

  男性 女性
30~49歳 750 650
50~64歳 750 650
65~74歳 750 650
75歳以上 700 600

日本人の食事摂取基準2020年版より

 

骨量はおよそ40歳から徐々に低下し始め、特に女性は更年期以降急激な骨量の減少とともに骨粗鬆症のリスクが高まります。

 

骨量の低下は骨折リスクを高めるだけでなく、生活に大きな影響を及ぼす恐れがあります。

私の経験から言うと、一度骨折をされた方は、また転倒し骨折してしまうのを避けるために歩くこと自体を少なくしてしまうことが多くあります。

 

その場合、運動量の低下が骨格筋量の低下を招き、サルコペニアやフレイルと言った別のリスクを高めてしまいますし、予後の生活が満足なものにならなくなるかもしれません。

骨折を気に生活が一変した高齢の方に私自身何人もお会いしています。

 

そうなってほしくないので、骨の状態を良好に保っていただきたいです。

 

ただ、実際は中高年以降に骨量の最大値を増やすことは難しいです。

ですが「骨量の低下を防ぎ、骨量を維持する」ことは十分に可能ですし、骨量の維持も十分に骨粗鬆症予防に繋がります。

 

そのためには今からカルシウムを十分に摂ることが大切です。

既に更年期を過ぎ、骨密度が低いと言われたことがあっても、今以上に骨密度が下がらないようにするためにも、カルシウムの摂取をおすすめします。

 

 

ただし、生活習慣病などの病気を治療している方、または健康診断で生活習慣病の疑いを言われた方などで、

食事の改善が必要と言われているならばカルシウムを摂る際には注意してください。

というのもカルシウムを摂るために、今の食事にプラスしてカルシウムの多い食品を摂ってしまうと、総摂取エネルギー量や各栄養素の摂取量に影響を与えてしまい、治療の効果が下がったり悪化したりする恐れがあります。

 

治療をしている、病院で栄養指導を受けている方は、カルシウムに限らず食事のことは必ず主治医や管理栄養士に相談してください。

 

カルシウムは大豆製品や小松菜などの野菜からも摂ることができ、カルシウムを摂取しながら栄養バランスを結果的に整えることができるので、

どのくらいの食事量が自分に最適なのかを把握したうえで、牛乳・乳製品の摂取が過剰なエネルギー摂取になっていないようにしましょう。

 

 

 

以上、年代別の必要なカルシウム量を紹介しました。

カルシウムはどの年代でも必要ながら、カルシウムの考え方は異なります。

ただ、カルシウムを摂ってはいけないと言われていない限り、何歳からでもカルシウムを摂ることには十分な栄養学的意義があります。

ぜひカルシウムの摂取を習慣にしてみてください。

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