健康管理のために理解しておくべき食事と恒常性の関係とは

独学

 

「ダイエットしたけどすぐにリバウンドしてしまう」

「食事を減らしているのに思ったよりも体重が減らない」

 

自分の健康管理を始めたいと思っている方も、

すでに自分の健康管理をしている方も、

食事と恒常性の関係を知っているか知らないかで、健康管理のためにすることの効果が変わります。

 

本当に身体にとって適切な健康を管理するために、ここでは健康管理に必要な知識として食事と恒常性との関係性を紹介します。

 

やや専門的な内容なので、一度で理解できなくても

ぜひ何度も読んで自分のものにしてください。

 

これからの自分の健康管理がもっと効果のあるものになると思います。

 

 

健康管理のために理解しておくべき食事と恒常性の関係とは

身体は恒常性で正常な状態を保とうとする

 

恒常性とは「正常な状態を保つ」ために身体に備わった機構で、

身体が生きるために必要な状態を正常として、その正常な状態を維持するために「身体を元に戻す」ための性質です。

 

恒常性は命を保つために欠かせないものです。

 

「正常な状態に戻す」とは、

例えば、血糖値(血管の中の糖質の濃度)が低くなったら、

恒常性が働いて血糖値を上げる機構が働き血糖値を上げます。

 

反対に、血糖値が高くなれば、

これも恒常性が働いて血糖値を下げる機構が働き血糖値を下げます。

 

血糖値はこのように正常の状態を基準に高くなっても低くなっても元に戻すように身体のいろいろな機構(ホルモンの作用や代謝の亢進など)が動きます。

 

このように身体のバランスを均衡に保つような性質を恒常性といいます。

 

恒常性は生きていくうえでは欠かせませんが、

自分の意図する健康のために努力した結果、

恒常性が働いて自分の思う健康な状態にできなかった(ダイエットしたけどリバウンドしたなど)ということになりかねません。

 

食事は恒常性に影響されるので

次の章で食事と恒常性との関係性をしっかり押さえておきましょう。

 

 

急激な食事の減量は身体を「危機対応」にシフトさせる

 

例えば、ダイエットで体重を減らしても

すぐに体重が戻ってしまう「リバウンド」を経験したことがある方もいる方もしれません。

また、いつもより食べないように我慢しても、体重が減らないということもあります。

 

このようにせっかく食事を我慢しても期待した効果がみられないのはなぜか、

ダイエットなどを目的に食事の量を減らしたら身体でどのようなことが起きているかを見ると原因がわかります。

 

食事を減らすと身体では以下のようなことが起きます。

  1. 食事量が減る
  2. 摂取するエネルギー量が減る
  3. 身体を動かすエネルギーが不足する
  4. 身体に貯めているエネルギーの材料(糖質や脂質など)を消費する
  5. 今後エネルギーが不足しないように身体にエネルギーの材料を貯蓄するようにシフトする
  6. 食事から少しでも多くの栄養を吸収するようになる

 

ひとつずつ見ていくと、

ダイエットのために食事を摂らないように我慢すると、「1.食事量が減る」ことになります。

 

食事量が減ると食事から摂るはずの栄養が減るので「2.摂取するエネルギー量が減る」ことになります。

 

すると本来食事から摂っていたエネルギーを使って身体を動かしていたところが、エネルギーが食事から入ってこないので、「3.身体を動かすエネルギーが不足する」ことになります。

 

生きていくためには身体を動かすことが必要なので、どこからかエネルギーを摂ってくる必要があります。

身体はそのために糖質や脂質などの形でエネルギーの材料を貯蓄しているので、 「4.身体に貯めているエネルギーの材料を消費する」 ことでエネルギーを作って身体を動かします。

 

ここまでの「1.食事量が減る」から「4.身体に貯めているエネルギーの材料を消費する」までは、いわゆるダイエット(体重を減らすこと)のためのプロセスですので、

理論上は食事を減らすと身体に貯めていた脂肪などが(エネルギーとして消費されるので)減り、体重が減ります。

しかし、次からのプロセスによって体重を引き上げる動きの「リバウンド」が起きます。

 

身体に貯めていたエネルギーの材料である糖質や脂質が減ると、今後エネルギーが不足したときに対応できなくなる恐れがあります。

そのため「5.今後エネルギーが不足しないように身体にエネルギーの材料を貯蓄するようにシフトする」ことがおきます。

  

これは恒常性によって引き起こされます。エネルギー不足に備えるために、エネルギーの貯蓄ができている「正常な状態に身体を戻そうとする」機構が働くようになるためです。

 

そうすると、「6.食事から少しでも多くの栄養を吸収するようになる」ので、食事量を減らしても吸収率が高まっているので

糖質や脂質などを取り込み身体に貯めようとして、結果的に体重が減りにくい、増えるということになります。

 

つまり、リバウンドはこの「身体を元の状態に戻そうとする」機構によって起きる『恒常性という身体に備わっている危機対応』によるものなのです。

 

これからわかるように

単純に食事量を減らしても体重は思うように減りません。

 

もっというと体重を減らすには、食事を減らすだけでは効果が期待できません。

食事を減らすその「方法」が重要といえます。

 

その方法のキーワードは「順応」です。 

 

 

健康管理は「身体を順応させる」ことが最重要

 

ダイエットのリバウンドを例に身体の恒常性がどのように働いているかを見てきましたが

恒常性は「 正常な状態に身体を戻そうとする 」、「 身体に備わっている危機対応 」と述べました。

 

つまり、恒常性をうまく使って健康管理をするには

「食事を減らしても危機状態ではないよ」、「むしろ食事を減らした方が正常だよ」と

身体に認識させる必要があります。

 

これができれば減量した状態を正常として、体重が増えた状態を異常とすることで

恒常性が働き(体重が減った状態に戻そうとするので)太りにくい身体を作ることができます。

 

このように恒常性を自分の目標とする健康にうまく作用させることが重要です。

 

そのためには「身体を順応させる」ことです。

 

今回の例では体重を減らしたいので、身体を体重を減らした状態に順応させます。

 

身体を順応させる方法

身体を順応させる方法は「時間をかける」ことです。

 

短期間で体重が減ってしまうと危機状態とみなされますが、

 

ゆっくり時間をかけて体重を減らすと

身体を動かすエネルギーを食事から摂ったものを使うのか、身体に貯めているものを使うのか、

どのくらい食事から吸収したら不足なくエネルギーを保てるのか

 

身体に備わる機構が互いにバランスを調整できるので

減量が身体に無理のない状態で受け入れるようになります。

 

この「自分の健康目標を身体に受け入れさせる『順応』」が長期的に健康を維持するうえで非常に重要であり、

この感覚を自分のものにすると、今回の例のダイエット以外にも筋肉をつける、体力をつけるなどいろいろな目標の健康管理に応用できます。

 

身体に順応させるには時間を要するので、健康管理は長期的に無理なく時間をかけておこないましょう。

その方が効率よく目標を達成しやすいです。

 

 

まとめ

○恒常性は「今の正常な状態を維持」しようとする身体に備わった機構

○急激な状態の変化は「身体の危機対応」にシフトさせる

○恒常性をうまく使うには「身体に順応させる」ことがとても重要

○身体に順応させるには「時間をかける」こと、これが一番効率よく、今後応用もできる

 

 

 

以上、「健康管理のために理解しておくべき食事と恒常性の関係とは」について紹介しました。

繰り返しますが、この食事と恒常性との関係は自分の栄養を管理して行く上でとても重要です。

 

十分に理解するように何度も読んでいただくことをおすすめします。

 

また、これから自分の思うような健康がみられないときも

この内容を振り返ってみてください。

 

  

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