介護保険制度のポイントと管理栄養士国家試験対策 2/2

国家試験対策

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「介護サービスの種類が多くてよくわからない」

「介護施設の管轄がわかりにくい」

 

 

介護施設でも管理栄養士の役割は大きいため、介護施設で勤務する管理栄養士は十分に介護保険制度を理解しておく必要があります。

 

 

管理栄養士の国家試験でもよく出題される介護保険制度ですが、

保健制度自体が複雑でわかりにくく、知っておかないと問題を落としかねません。

 

 

ですが、介護保険制度の概要を理解しておけば国家試験では難しい問題はあまりないので、確実に正解して欲しい問題でもあります。

 

ここでは介護保険制度の介護サービスを把握し、国家試験で出る内容を抑えられるようにポイントをまとめています。

 

前半では介護保険制度の概要をまとめていますので、未読の方はこちらから読んでいただくとよりわかりやすいと思います。

 

 

介護保険制度のポイントと管理栄養士国家試験対策

介護サービスの種類と管轄を理解する

 

介護保険サービスの種類

介護保険を使って介護を受けることを「介護保険サービスを使う」と言いますが、

  

その介護保険サービスは、介護を受ける側の方が『どこに拠点を置くか』で、大きく「居宅サービス」「施設サービス」の2つに分かれます。

 

※介護保険サービスの違いを理解しておくと、介護事業所の管轄の違いがわかるのでよく頭に入れておいたほうがいいです。

 

居宅サービスの例

  • 介護を受ける方の自宅で介護を受ける(訪問介護など)
  • 自宅からリハビリ施設に通って介護を受ける(通所リハビリテーションなど)
  • 自宅から介護施設に行って、支援を受けながら生活する(デイサービスなど)

 

このように介護を受けるひとが自宅で介護をしてもらったり、自宅から介護される場所に出かけたりと、介護を受ける方の拠点が『自宅』にある場合が居宅サービスになります。

 

 

施設サービスの例

  • 退院後リハビリテーションを目的に介護施設で数か月生活する(介護老人保健施設など)
  • 自宅での生活が難しくなり、介護施設に入所する(介護老人福祉施設など)

 

このように、介護を受ける方の生活が自宅ではなく施設が拠点となる場合が施設サービスです。

 

<介護老人保健施設と介護老人福祉施設の違い>

○介護老人保健施設は医療の延長の意味合いが強く、施設責任者が医師である。病院と併設されている場合が多い。

○介護老人福祉施設は生活の支援を目的としており、施設責任者は医師である必要はない。ただし、嘱託医の配置義務がある。

  

注意してもらいたいのが、介護保険サービスの種類の違いは「どこで生活しながら介護を受けるか」ではなく「生活そもそもの拠点がどこにあるか」です。

  

以下の例題の正誤を考えてみてください。 

(例題)「介護老人福祉施設で、介護保険サービスとしてショートステイ(短期入所生活介護)を1か月間利用する場合は施設サービスとなる」は正しいか誤りか。

 

  

これは誤りです。

生活の中心は施設内になりますので施設サービスのようにみえますが「居宅サービス」が正解となります。

  

「拠点はあくまでの自宅で、1か月間ホテルのように介護施設に宿泊し再度自宅に戻る」ので居宅サービスとして扱います。

 

よって、正しくは介護老人福祉施設で、介護保険サービスとしてショートステイ(短期入所生活介護)を1か月間利用する場合は居宅サービスとなる。となります。

 

 

繰り返しますが、

生活の拠点が自宅にあれば「居宅サービス」、施設にあれば「施設サービス」です。

 

 

ややこしいところなので何度も読み返して理解してください。

ここを理解しておくと、次の「介護保険事業所の管轄」に関する問題が分かりやすくなります。

 

 

介護保険事業所の管轄

 

介護保険は社会保険のひとつですが、社会保険制度は厚生労働省、いわゆる国が管理しています。

 

その国の基準をもとに都道府県や市町村が各条例と照らし合わせながら「介護サービスをする事業所として指定」します。

 

デイサービスを運営する法人や事業所などがこの指定を受けると、介護を受けたい方に介護保険を使った介護サービスを提供できます。

 

つまり、管轄がどこにあるかは「どこから指定を受けるか」で決まります(正確には指定権者が誰かで決まります)。

 

 

管轄は2ヶ所です。

  • 市町村が管轄(指定権者は市町村長)・・・施設サービスのうち地域密着型(介護予防)サービス、居宅サービス
  • 都道府県が管轄(指定権者は都道府県知事)・・・上記以外

 

居宅サービスは市町村、施設サービスは都道府県が基本ですが、

 

一部例外が地域密着型(介護予防)サービスは施設サービスですが管轄は市町村です。

 

地域密着型(介護予防)サービスは施設サービスのひとつで、

特徴は「施設のある場所と同じ市町村に住民票のある方のみ、その施設の介護サービスを受けることができる」ことです。

A市に住民票のある方はB市に建っている地域密着型介護施設を原則利用できないことになっています。

 

地域密着型(介護予防)の施設は、市町村の地域住民のための施設だから市町村が管理するということです。

 

以下の例題の正誤を考えてみてください。

(例題)「地域密着型(介護予防)の特別養護老人ホームは都道府県知事が指定する。」正しいか誤りか。

 

 

これは誤りです。

特別養護老人ホームは介護老人福祉施設のひとつで、介護保険サービスの種類は「施設サービス」です。施設サービスは基本的に都道府県が管轄なので指定権者は都道府県知事です。

 

しかし、同じ特別養護老人ホームでも地域密着型(介護予防)であれば管轄が市町村となるので、指定権者も市町村長となります。

よって、正しくは地域密着型の特別養護老人ホームは市町村長が指定する。となります。

 

介護保険サービスの事業所を問う問題はよく出題されますが整理しておくと正解しやすいのでここでおさえておきましょう。

 

 

介護保険制度で必ず抑えておくべきポイント

 

以下におさえておくべき介護保険制度のポイントを紹介します。

○介護保険制度は社会保険制度のひとつ

○保険料は40歳以上に強制徴収し、介護保険サービスは40歳から使用可能

○介護保険サービスは7段階の介護認定を受けた者がサービスを受けることができる

○介護認定は7段階(要支援1~2、要介護1~5)ある

○介護保険サービスは「居宅サービス」と「施設サービス」がある

○「居宅サービス、地域密着型(介護予防)施設サービス」は管轄が市町村、それ以外のサービスは管轄が都道府県

 

 

以上、介護保険制度でおさえておくべきポイントを紹介しました。

 

介護保険制度は詳細にみるとサービスごとに異なることが多く難しくなりますが、管理栄養士の国家試験対策では上記のポイントを十分に把握しておくことが重要です。

 

国家試験の過去問を繰り返し解き、良く出題される内容は確実に解けるようにしておきましょう。

 

 

今後も無理なく体調に気をつけて。

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