科学的介護情報システムが令和6年よりアップグレードされた新LIFEシステムについて、これまでのLIFEへの登録項目から変更された点について、こちらでは栄養管理に関する情報をまとめています。
※厚生労働省より、新LIFEシステムへの登録開始が正式に令和6年8月1日午前9時よりと発表されました。
公開情報
令和6年4月 LIFE項目公開
令和6年4月 介護ソフトのベンダー向けに「外部インターフェース項目一覧(LIFE)0300 版」が公開されました。この公開を受けて各ソフトベンダーが新LIFEシステムの仕様に沿って介護ソフトを変更していく流れとなります。
栄養摂取の状況や食事内容など、栄養に関する項目が含まれるものは以下が公開されました。
- 栄養・摂食嚥下スクリーニング・アセスメント・モニタリング【NUTRITION_FEEDING_SWALLOWING_SCREENING_ASSESSMENT_MONITORING_2024】
- 栄養ケア等計画書【NUTRITION_CARE_PLAN_2024】
- 口腔衛生管理加算【ORAL_HYGIENE_MANAGEMENT_ADDITION_2024】
- 口腔機能向上サービスに関する計画書【ORAL_FUNCTION_IMPROVE_SERVICE_PLAN_2024】
- 興味関心チェックシート【INTEREST_CHECK_SHEET_2024】
- 生活機能チェックシート【LIFE_FUNCTION_CHECK_SHEET_2024】
- 個別機能訓練計画書【INDIVIDUAL_FUNCTION_TRAINING_PLAN_2024】
- リハビリテーション計画書【REHABILITATION_PLAN_2024】
- 褥瘡対策に関するスクリーニング・ケア計画書【BEDSORE_MEASURE_CARE_PLAN_2024】
- 自立支援促進に関する評価・支援計画書【INDEPENDENCE_SUPPORT_PLAN_2024】
- ADL維持等情報(2024年度)【ADL_MAINTENANCE_ADDITION_INFO_2024】
- その他情報【OTHER_INFO_2024】
【NEW】令和6年7月26日 令和6年度報酬改定対応「新LIFE」稼働開始
令和6年7月26日通知にて、令和6年8月1日 午前9時より新LIFEの稼働開始が正式に発表されました。
これまでのLIFE(旧 LIFE) システムが稼働停止となるため令和6年7月30日までにバックアップファイルのダウンロードおよびデータ保存、また新LIFEシウテムへの移行作業を行う必要があるとのことです
新LIFEシステムの主な変更点
新LIFEシステム主な変更点は以下と発表されています。
- 令和6年度介護報酬改定に合わせた様式の介護情報が登録でき(直接またはCSV形式での連携登録が可能とのこと)、入力支援機能が追加されました
- 操作職員も利用者情報の編集が可能となりました
- 要介護度など一部重複項目の更新が可能となりました
- リハ・個別機能、栄養、口腔関連情報について一体的計画書の出力機能が追加されました
(補足)LIFE利用停止期間中のLIFE関連加算の算定について
LIFEシステム利用停止期間(令和6年4月~8月)中の データ提出期限について、以下の発表がありました。
令和6年7月 31 日までは、利用者情報及び ADL 維持等情報のみデータ提出が可能でしたが、令和6年8月1日からは、LIFE関連加算のすべての様式情報の提出が可能となります。
https://www.mhlw.go.jp/content/12301000/001282542.pdf
令和6年4月~8月分の LIFE 関連加算の算定を行う場合、令和6年8月1日~10 月 10 日の遡り入力期間に算定する加算の様式情報を提出いただくことで、当該加算の算定が可能です。ただし、提出すべき情報を原則として令和6年 10月10日までに提出していない場合、算定した当該加算については、遡り過誤請求を行う必要があるためご注意ください。
※令和6年3月以前のものについては新LIFE様式で提出して問題ないとのことです。
栄養・摂食嚥下スクリーニング・アセスメント・モニタリング
現時点で公開されている「栄養・摂食嚥下スクリーニング・アセスメント・モニタリング」の新LIFE追加項目についてまとめます。
リハ・個別機能、栄養、口腔の一体的取り組み
「リハ・個別機能、栄養、口腔の一体的取り組み」の実施有無を登録する項目が追加されています。
こちらは令和6年4月より適用開始となった「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組」に対する実施有無の登録です。
GLIM基準による評価・GLIM基準による評価 低栄養
GLIM基準を元に評価した低栄養状態にて、「GLIM基準による評価項目」に「1:低栄養非該当 2:低栄養」、「GLIM基準による評価 低栄養」に「1:中等度低栄養 2:重度低栄養(該当する場合)」を設定します。
日本栄養治療学会(JSPEN)ではGLIM基準を以下に定義しています。
Global Leadership Initiative on Malnutrition(GLIM)基準
世界の主要な臨床栄養学会が協力し、「Global Leadership Initiative on Malnutrition (GLIM)」として、新しい成人の低栄養診断基準を提唱しました。GLIM基準は、従来の食物摂取不足による低栄養に加え、医療施設における疾患関連性低栄養も考慮されており、低栄養の診断及び栄養治療における世界標準の基準、“世界の共通言語”となることが期待されています。
https://files.jspen.or.jp/2024/03/glim_overview_20240322.pdf
GLIM基準の詳細はこちら(日本栄養治療学会(JSPEN)のPDFを表示します)。
口腔衛生管理加算
現時点で公開されている「口腔衛生管理加算」の新LIFE追加項目のうち、食事・栄養に関する項目についてまとめます。
リハ・個別機能、栄養、口腔の一体的取り組み
口腔衛生管理加算においても、「リハ・個別機能、栄養、口腔の一体的取り組み」の実施有無を登録する項目が追加されています。
栄養補給法 経腸栄養
経腸栄養の有無について「1:有り 2:なし」で設定します。
栄養補給法 静脈栄養
静脈栄養の有無について「1:有り 2:なし」で設定します。
誤嚥性肺炎の発症・既往 直近の発症年月 発症年 発症月
誤嚥性肺炎の既往がある場合、発症年月を設定します。
実施目標 食形態 ・ 実施目標 食形態 詳細
「口腔衛生管理加算(口腔衛生の管理内容)」としての実施目標に食形態の改善について「1:あり 0:なし」、また詳細として「0:維持 1:改善」を設定します。
実施目標 栄養状態 ・ 実施目標 栄養状態 詳細
「口腔衛生管理加算(口腔衛生の管理内容)」としての実施目標に栄養状態の改善について「1:あり 0:なし」、また詳細として「0:維持 1:改善」を設定します。
実施目標 誤嚥性肺炎の予防
「口腔衛生管理加算(口腔衛生の管理内容)」としての実施目標に誤嚥性肺炎の予防について「1:あり 0:なし」を設定します。
口腔機能向上サービスに関する計画書
現時点で公開されている「口腔機能向上サービスに関する計画書」の新LIFE追加項目のうち、食事・栄養に関する項目についてまとめます。
目標 摂食嚥下等の口腔機能 詳細
これまでのLIFEに設定されていた「目標 摂食嚥下等の口腔機能」に対し、新たに詳細として「0:維持 1:改善」を設定します。
目標 食形態 詳細
これまでのLIFEに設定されていた「目標 食形態」に対し、新たに詳細として「0:維持 1:改善」を設定します。
目標 栄養状態・目標 栄養状態 詳細・目標 栄養状態の改善目標 詳細(内容)
新LIFEより新たに「栄養状態」の目標設定が追加されました。
目標としての栄養状態の改善について「1:あり 0:なし」、また詳細として「0:維持 1:改善」を設定します。
また、詳細(内容)として自由記入欄が設けられます。