ほうれん草はビタミンやミネラルを多く含む栄養価の高い食材です。不足しがちな鉄分も豊富なので、離乳食に積極的に取り入れたい食材ですが、アクが強く、食物繊維もあるので、ポイントをおさえて調理しましょう。
今回は離乳食のほうれん草はいつからどれくらい食べられるのか、鍋や電子レンジでのアク抜きの仕方などを紹介します。
ほうれん草はいつから食べられる?
ほうれん草は、離乳初期(5~6ヶ月頃)から食べることができます。
初期~中期は葉の部分のみ使用します。茎の部分は後期から食べることができます。繊維が多いので葉より長めにゆでてやわらかくし、細かく刻んであげましょう。
時期別の調理方法と目安量
離乳初期
葉先をクタクタになるまでやわらかくゆでたら冷水にさらし、アク抜きをします。その後、裏ごしするかすり鉢ですりつぶしてお湯やだし汁などでのばし、ペースト状にしてから与えましょう。
すりつぶす際はみじん切りにしから、すりつぶすと簡単です。繊維が残りやすいため、初期はすりつぶした後、裏ごしするのがおすすめです。裏ごししない場合は、葉の太い葉脈を取り除いてから調理するといいでしょう。
量は小さじ1から始め、15~20gくらいまで増やしていきます。
離乳中期
葉先をやわらかく加熱し、冷水にさらしてアク抜きをします。
2~3mm大に刻みます。繊維を断ち切るように細かく刻むと食べやすくなります。食べにくい場合はとろみをつけるといいですよ。
目安量は20〜30gです。
離乳後期
葉と茎やわらかく加熱して、冷水にさらしてアク抜きをします。
3~5mm大に刻みます。後期から茎も食べられるようになりますが、繊維が多いため葉より長めにゆでて、細かく刻んでから与えましょう。
目安量は30~40gです。
離乳完了期
葉と茎をやわらかく加熱し、冷水にさらしてアク抜きをします。
5mm~1cm大に刻みます。炒め物などもできるようになりますが、料理に使う場合も必ず下ゆでし、アク抜きをするようにしましょう。
目安量は40~50gです。
ほうれん草の調理のポイント
塩は入れなくてよい
ほうれん草は色をきれいに保つために塩を入れてゆでるのが一般的です。しかし、離乳食では基本的に調味料は使いません。加熱後すぐに冷水で冷やすことで色をきれいに保つことができるので、塩は入れなくても大丈夫です。
アク抜きをする
ほうれん草にはシュウ酸というえぐみ成分が含まれています。これがアクです。シュウ酸は水に溶けるため、ほうれん草をゆでて水にさらすことでアク抜きができます。
アク抜きは鍋でゆでる方法の他に、電子レンジでの加熱でもできます。電子レンジは簡単でいいですが、初期や中期は鍋でゆでる方がしっかりアク抜きできるのでおすすめです。
鍋でアク抜きをする方法
- ほうれん草を洗い、たっぷりの熱湯でゆでる。(塩は入れない)
- 2分程度ゆでて、冷水にさらす。
- 水気を切って固くしぼる。
電子レンジでアク抜きをする方法
- ほうれん草を洗い、水気がついたまま、ふんわりとラップをかける。
- 耐熱皿にのせ、600Wの電子レンジで2分加熱する。(葉1枚につき20秒目安)
- 電子レンジから取り出し、水に浸しアク抜きをする。
- 水気を切って固くしぼる。
繊維を断ち切るように切ると、すりつぶしやすい
ほうれん草は繊維が多く裏ごしが難しいので、やわらかくなるまでしっかりと加熱します。
すりつぶすときは、みじん切りにしてからすりつぶします。繊維を断ち切るように切るのがポイントです。葉の太い葉脈は取り除いておくとやりやすいでしょう。
また、繊維が多い野菜をペースト状にする際は、ハンドブレンダーを使うととても簡単です。
ほうれん草の茎は後期から
ほうれん草の茎は繊維が多いため、初期~中期の間は使いません。よく噛めるようになる後期頃から、指でつぶせるくらいまでやわらかくゆで、細かく刻んであげましょう。
冷凍ほうれん草は加熱する
離乳食には市販の冷凍ほうれん草も活用することができます。冷凍ほうれん草は下ゆでしてあるためアク抜きの必要はありませんが、赤ちゃんは細菌などへの抵抗力が弱いため、しっかり加熱してから使いましょう。
ほうれん草の冷凍保存方法
ほうれん草は加熱後に冷凍保存することができます。
ペースト状にしたほうれん草は製氷皿に入れて冷凍し、凍ったら型から外して冷凍保存袋に入れます。
また、冷凍保存袋に入れて平らにのばし、空気を抜いて密封し、1回分ずつに箸で筋を付けてから冷凍します。冷凍した後にパキッと折り、1回分ずつ取り出せるので便利です。
ゆでてアク抜きしたほうれん草を棒状にラップに包んで冷凍すると、使う時に凍ったまますりおろすことができます。すりおろしたものに水を軽く振り電子レンジで加熱するだけで、簡単にペースト状になります。
解凍するときは電子レンジや鍋で必ず再加熱します。おかゆや汁物に加える場合は凍ったまま鍋に入れて、調理することもできます。
冷凍したほうれん草は、1週間を目安に使い切りましょう。
以上、離乳食のほうれん草の時期別の調理方法や下ごしらえのポイントなどを紹介しました。ぜひ参考にしてください。