ビタミンCや食物繊維が豊富なさつまいも。自然な甘みがあり、なめらかになりやすいので、赤ちゃんも食べやすい食材ですが、離乳食ではどのように調理するのでしょうか。
今回は離乳食のさつまいもはいつから、どれくらい食べられるのか、ゆで時間や調理方法などをご紹介します。
さつまいもはいつから食べられる?
さつまいもは離乳初期(5~6ヶ月頃)から食べることができます。皮はかたく、食べにくいので取り除きます。
さつまいもは甘みがあり、なめらかなペースト状にもしやすいので赤ちゃんが食べやすい食材です。ほかの食材とも相性がよいので、さまざまな組み合わせで離乳食のレパートリーも広がります。
時期別の調理方法と目安量
離乳初期
皮を厚めにむいて水にさらしてから、やわらかくなるまで加熱します。その後、裏ごしするかすり鉢ですりつぶし、お湯やだし汁でのばして、なめらかなペースト状にして与えましょう。パサパサが気になるときは、おかゆと混ぜたりかたくり粉でとろみをつけたりするとよいでしょう。
初期の前半はなめらかなポタージュ状にします。慣れてきたら加える水分量を少しずつ減らし、とろとろのポタージュ状から、ぽってりとしたペースト状にしていきます。徐々に少し粒が残るくらいにすりつぶして食感を残していきましょう。
量は小さじ1から始め、15~20gくらいまで増やしていきます。
離乳中期
皮を厚めにむいて水にさらし、やわらかく加熱します。
粗くつぶすかペーストの中に少し粒がある程度につぶします。フォークでつぶすと簡単です。または、2~3mm角に切ります。慣れてきたら、3~5mm角くらいの粗いみじん切りにしてもいいでしょう。
目安量は20〜30gです。
離乳後期
皮を厚めにむいて水にさらし、やわらかく加熱します。
5~7mm角に切ります。手づかみ食べができるスティック状にしてもよいでしょう。
目安量は30~40gです。
離乳完了期
皮を厚めにむいて水にさらし、やわらかく加熱します。
1cm角に切ります。手づかみ食べができるスティック状にしてもよいでしょう。
目安量は40~50gです。
さつまいもの調理のポイント
皮を厚めにむく
さつまいもは皮の周りに繊維やアクが多いので、皮は厚めにむくのがポイントです。また、先端にも繊維が多いので、離乳食では真ん中あたりを使うのがおすすめです。厚めに皮をむいた場合でもアク抜きはしましょう。
アク抜きをする
さつまいもはアクがあるため、切ったあとは5~10分ほど水にさらしてから加熱します。アクを抜かずに調理しても問題はありませんが、さつまいもが変色したり、苦みが出たりする原因になります。赤ちゃんが食べにくくなる場合もあるので、アクはしっかり抜きましょう。アク抜きをすると、さつまいもの変色を防ぐこともできます。
さつまいものアク抜きの方法
- さつまいもの皮を厚めにむき、適当な大きさに切ります。
- さつまいもがかぶるくらいの水に浸し、5~10分ほど水にさらします。
- 2~3回水を取り替えて、水が白く濁らなくなるまで繰り返します。
加熱は電子レンジや炊飯器でもOK
さつまいもは鍋でゆでる、蒸すの他に、電子レンジや炊飯器でもやわらかく調理できます。
鍋でゆでるとしっかり中までやわらかくなってペーストにしやすくなります。
電子レンジは簡単でおすすめですが、加熱にムラができることがあるので、かき混ぜて全体がやわらかくなっているか確認しましょう。
炊飯器はスイッチひとつでできるので手間いらずです。丸ごと蒸すこともできますが、少量の場合はご飯と一緒に炊くこともできますよ。
鍋でゆでる方法
- 皮を厚めにむき、1~2cmの輪切りにします。
- 水に5分程さらしてアクを抜き、水気を切ります。
- さつまいもを鍋に入れ、ひたひたになるぐらいの水を入れて、水からゆでます。
★ゆで時間の目安は1cm輪切りで5分、1.5cm輪切りで8分程です。
電子レンジで加熱する方法
- 皮を厚めにむき、1~2cmの輪切りにします。
★小さく切るよりも、2cmくらいの厚さに切った方が熱が通りやすいのでおすすめです。 - 水に5分程さらしてアクを抜き、水気を切ります。
- ひたひたになるぐらいの水を入れ、電子レンジで3~4分加熱する。
炊飯器で加熱する方法
●さつまいもだけで加熱する場合:
- さつまいもをよく洗い、炊飯器に入れます。大きい場合は切って入れます。
- 水を1カップ入れ、炊飯する。
★さつまいもの量と水の量によって、できあがりのしっとり感が変わるので調節してください。
●ご飯と一緒に炊く場合:
- 皮を厚めにむき、1cmの輪切りにします。
- 水に5分程さらしてアクを抜き、水気を切ります。
- さつまいもアルミホイルに包みお米の上にのせて炊きます。
熱いうちにつぶす
さつまいもは冷めると固くなってつぶしにくくなるため、ペースト状にする時は熱いうちにつぶしましょう。
ペーストはハンドブレンダーが便利
さつまいもをペースト状にするとき、すり鉢や裏ごし器ですりつぶしてもよいですが、なかなか手間がかかりますよね。
ハンドブレンダーを使うとあっという間になめらかなペーストができますよ。
お湯やだし汁を加えながら、ちょうどいいかたさにしましょう。ハンドブレンダーは少量だと撹拌しにくいので、まとめて調理して冷凍保存しておくと便利です。
さつまいもの皮は離乳食に使える?
皮の部分は食物繊維が多く、赤ちゃんの消化の負担になります。また皮は固く食べにくいので、初期だけでなく、離乳期はさつまいもの皮は取り除いて使うようにしましょう。
離乳食では主食?野菜?
さつまいものようないも類は炭水化物をたくさん含むので、主食の分類になるのか野菜の分類になるのか、悩むかもしれませんが、どちらが正しいということはありません。どちらにも分類できるので、あまり気にせず進めていくのがよいでしょう。
ただ、栄養的には芋類は炭水化物に分類され、厚生労働省の分類では野菜・果物の3群に分類されています。
さつまいもの煮物やおやきなどは、主食代わりにすることもできます。その場合は、量を調整しましょう。さつまいもはごはんに比べると食物繊維が多く、たくさん食べると消化の負担になることがあります。
もちろん、煮物やおやきなどをおかずとして少量取り入れて、一緒におかゆを食べても大丈夫です。おかゆや汁物に少しプラスしたり、サラダに混ぜたりするくらいの量であればビタミン・ミネラル類としてカウントしてもいいでしょう。
離乳食のバランスを考えるうえでは、1日の全体で炭水化物、たんぱく質、ビタミン・ミネラルのバランスが良くなるように摂れていることが大切です。
冷凍保存方法は?
さつまいもは加熱後に冷凍保存することができます。ペースト状にするか、使用する大きさに切ってから、1食ずつ小分けにして冷凍するとよいでしょう。
ペーストは製氷皿に入れて冷凍し、凍ったら型から外して冷凍保存袋に入れます。
または、ペーストのさつまいもを冷凍保存袋に入れて平らにのばし、空気を抜いて密封し、1回分ずつに箸で筋を付けてから冷凍します。冷凍した後にパキッと折り、1回分ずつ取り出せるので便利です。
角切りにしたさつまいもを冷凍する場合は1回分ずつ小分けにして、ラップに包んで冷凍します。
解凍するときは電子レンジや鍋で必ず再加熱します。おかゆや汁物に加える場合は凍ったまま鍋に入れて、調理することもできます。
冷凍したさつまいもは、1週間を目安に使い切りましょう。
以上、離乳食のさつまいもの時期別の調理方法や下ごしらえのポイントなどを紹介しました。ぜひ参考にしてください。